2021/11/4

【直言】脱炭素には、SaaSの「100倍のチャンス」がある

NewsPicks 副編集長(NY支局)
INDEX
  • 絶対に必要になるテクノロジー
  • マスク、ゲイツも入れ込む
  • SaaSから「気候テック」へ
  • 炭素スープを地中に埋める
  • SaaSより大きく速い理由
  • 次の展望は「水素」にある
我々は「ムーンショット(月面着陸)」を目指すーー。
先週、世界の時価総額でトップに返り咲いたマイクロソフト(約250兆円)だが、実はこの会社は脱炭素分野でも世界トップクラスのぶっ飛んだ目標を設定している。
それが「2030年までのカーボンネガティブ」だ。
昨今、脱炭素のブームで「カーボンニュートラル」という言葉を耳にしたことのある人は増えたはずだが、これが温室効果ガスの排出をネットでゼロにするのに対し、カーボンネガティブというのは、ゼロではなく、マイナスを目指すものだ。
「2030年までに排出する量よりも多くの炭素を環境から回収し、2050年には、1975年の創業以来、マイクロソフトが排出したすべての炭素を環境から取り除きます」とブラッド・スミス社長は公言している。
しかし、ここでシンプルな疑問が湧く。
「CO2を取り除く」って一体何なのだ、と。そもそもそんなことができるのであれば、化石燃料からの脱却も、再エネも要らないのではないか。