[29日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は29日、ファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンについて、5─11歳の子どもへの接種を承認した。

FDA諮問委員会は26日、恩恵がリスクを上回るとして接種を推奨することを賛成多数で決定していた。FDAの承認を受け、米疾病対策センター(CDC)の諮問委員会が来週11月2日に会合を開き、この年齢層にどのように接種を進めるか討議する。最終的にはCDC所長が決定。承認されれば、米国ではこの年齢層に対する初めての新型コロナワクチンとなり、国内の2800万人の子どもが接種を受けられるようになる。

ファイザーは30日にも、薬局や小児科医のオフィスなどに子ども向けのワクチンバイアルの出荷を始める方針とした。

子どもへの新型コロナワクチン接種が承認されている国はまだ少なく、米国以外では中国やキューバ、アラブ首長国連邦などにとどまっている。

FDAが承認した5─11歳に対する接種の容量は10マイクログラム。12歳以上に対する容量の3分の1に当たる。

この日の会合でFDAは、ファイザー・ビオンテック製ワクチン接種後に若い男性を中心に心筋炎とみられる症状がまれに生じると報告されていることを中心に討議。FDAは、容量を低水準にすることでまれな副反応が生じる可能性を抑えられるとし、恩恵はリスクを上回るとして、承認した。

ファイザー・ビオンテックは22日、5─11歳を対象とする臨床試験(治験)で、90.7%の有効性が示されたと発表。2─4歳に対する治験結果は年末までに得られるとしている。