(ブルームバーグ): 4カ月前に会社更生手続きから脱却したばかりの米レンタカー会社ハーツ・グローバル・ホールディングスが、テスラ車を10万台発注した。事情に詳しい関係者が明らかにした。保有車両を電気自動車化する野心的な計画の実現に向け、第一歩を踏み出した。

非公表の情報だとして匿名で語った関係者によると、電気自動車に対する1回の注文としては過去最大で、テスラにとっては約42億ドル(約4800億円)の売り上げとなる。レンタカー会社は自動車メーカーに大幅な値引きを要求することが一般的だが、注文の規模からハーツは正規価格に近い値段を支払うことが示唆されるという。

注文車両は向こう1年2カ月かけて引き渡され、米国内の主要拠点や欧州の一部のハーツで11月初旬からテスラのセダン「モデル3」が借りられるようになると、関係者は述べた。この車を借りた場合はテスラの充電スタンド網を利用することができ、ハーツも独自の充電インフラを構築するという。

ハーツは全世界に保有する計50万台の乗用車・商用車のほぼ全てを、最終的に電気自動車とする計画。6月に破綻から立ち直った後の新たな親会社であるナイトヘッド・キャピタル・マネジメントとサータレス・マネジメントは、少数の大手が牛耳り、変化への姿勢が鈍いレンタカー業界に変革をもたらしたい考えだ。

テスラ株は一時6.7%高と急騰。ハーツは2022年末までに10万台を注文したことを認めた。テスラは今のところコメントの要請に応じていない。

原題:Hertz Said to Order 100,000 Teslas in Rental-Market Shake-Up (1)(抜粋)

Hertz Confirms Deal to Buy 100,000 Tesla Electric Vehicles(抜粋)

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