テスラ、7~9月の純利益4.9倍 半導体危機下でも最高益
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テスラが日本時間の今朝(米国時間20日)、2021年7-9月期決算を発表しました。
売上高は前年比57%増の138億ドル、営業利益は前年比148%増の20億ドル、そして営業利益率は14.6%を記録しました。
世界のトップ自動車メーカーにおいて、EVでの量産化・収益化が中長期的な目標でしかないなかで、テスラはいち早く量産化・収益化を実現しただけではなく、イーロンマスクが予ねてから掲げてきた数々の大胆な目標のなかでも、「中期の定量目標営業利益率10%台」をまたもや有言実行したことが注目されます。
さらに営業利益率の中身を見ると生産コストの低減が同率向上の大きな要因となっており、「収益化」という意味でも大きく前進しています。
私はテスラを自動車メーカーとしてだけではなく、テクノロジー企業、さらにはクリーンエネルギーのエコシステム企業として評価してきていますが、EVメーカーとしてEVの量産化・収益化をさらに万全としている同社の成長は本当に高く評価されるものであると思います。
なお、最近では異業種からEVへの参入が相次いでいますが、CASE(コネクト・自動化・サービス化・EV化)を競争の条件としている次世代自動車産業においては、すでに競争はハードとしての車ではなく、ソフト、さらにはプラットフォームやエコシステムに移ってきていることを理解することが最も重要だと思っています。
アップルがiPodを発売したばかりの時、ハードの戦いであると勘違いして多くの異業種メーカーまで携帯音声ハードに参入し失敗しましたが、iPodやiPhoneがプラットフォームやエコシステムの中核であったように、テスラのEVも次世代自動車のプラットフォームやエコシステムの一部であることを認識するのが重要です。ここにきて、EV参入の新規と古参の差が出た形ですね。
自動車メーカーとはサプライチェーンの構築業でもあり、以前から数年に渡る製造計画を立てていたテスラは当然必要な半導体の安定確保に投資しているでしょうし、半導体メーカーもテスラに卸すインセンティブのほうが高いのではないでしょうか。
欧州が半導体の脱亜の動きがどう数値として現れるか、非常に興味深くもあります。仮に民生品であったとしても半導体の置き換えは容易ではないです。
高度な車両制御、運転支援システムを搭載した基板上で、どうやって代替品に置き換えたのでしょうか。
ソフトウェア上の工夫で、できないとは言い切れないですが、一抹の不安を残します。