2021/10/22

【御田寺圭】社会に白けた若者の「生存戦略」とは?

NewsPicks編集部
特集「ジェネレーション・レフト」ではこれまで、若年層の左傾化に関する流れを紹介し、これからの民主主義の方向性について議論してきた。
しかし、積極的に実名で発信することはない、大部分の若年層にとって、いまの世の中はどのように見えているのか。
「白饅頭」の名前でも知られる文筆家の御田寺圭氏は、投稿フォームを設けて若者のリアルな声を聞き、それに応答するようにnote(ブログ)を書き続けてきた。そうした中で、政治や社会への「諦念」を感じたという。
若年層はなぜ、そうした感情を持つに至ったのか。その中で、どのように生存戦略を導き出そうとしているのか。現代日本を取り巻く、一つの「現実」を提示する。
御田寺圭(みたてら・けい)/文筆家
会社員として働くかたわら、「テラケイ」「白饅頭」名義でインターネットを中心に、家族・労働・人間関係などをはじめとする広範な社会問題についての言論活動を行う。運営する「白饅頭note」は5万フォロワー以上。2018年、「note」での連載をまとめた初の著作『矛盾社会序説』を刊行。
INDEX
  • いま、若者は白けている
  • 「人生のネタバレ」に対する諦念
  • HIPHOP人気から見えるもの
  • 社会への「基本的信頼感」の消失

いま、若者は白けている

「若者たちは政治的に関心がない」
よく見聞きする指摘である。そしてその指摘は、表面的には事実である。
たとえば第48回衆議院議員総選挙では、20歳代の投票率は33.85%で、60歳代の投票率は72.04%であり、それぞれの世代にははっきりとした差が見られる。