2021/10/5

【ドイツ】アンダー40が躍進。「若返り国会」が政治を変える

INDEX
  • 史上最も「若い」国会の誕生
  • 議員の3人に1人が「40歳以下」
  • 「古い政治」をひっくり返せ
  • SNSで有権者と「直接対話」
  • 多様なバックグラウンドの議員たち
  • 薄れゆく「イデオロギーの対立」

史上最も「若い」国会の誕生

エミリア・フェスターは23歳で、大学に在学中。マックス・ラックスは24歳で、「サイクリスト活動家」を自称する。リア・シュレーダーは29歳で、ツイッターのプロフィールにLGBTの象徴であるレインボーフラッグを掲げている。ムハナド・アル・ハラクは31歳で、11歳のときにイラクからドイツに移住した。
彼らの共通点は「全員がドイツの国会議員である」ということだ。
先のドイツ総選挙は、様々な意味で混沌とした結果をもたらした。オラフ・ショルツ率いる社会民主党が辛うじて勝利を収めたものの、得票率は25.7%にとどまった。有権者は左派と右派の候補者に均等に投票した。
ただ、ひとつだけ明らかなことがある。今回の選挙で、史上最も「若い」連邦議会がドイツに誕生したということだ。
先のドイツ総選挙で、最年少議員として当選を果たした23歳のエミリア・フェスター(Kay Nietfeld/picture alliance via Getty Images)
この世代交代の中心となった緑の党と自由民主党は、次期政権を担うばかりでなく、国の将来をも左右することになるだろう。
緑の党は気候変動と社会正義を重視し、自由民主党は市民の自由とデジタル化を公約に掲げる。この2党が、目下のキングメーカーだ。誰が次期首相になるにせよ、両党が政権の一角を担うことがほぼ確実に必要となる。
「もはや、政治を古い世代に任せておくことはできません」と、ハンブルグの自由民主党に所属する新人議員のシュレーダーは語る。「ドイツを取り巻く世界は変わりました。私たちはこの国を未来へと導きたいのです。それは、私たち自身の未来だからです」
リア・シュレーダーと自由民主党の若手メンバーたち(Gregor Fischer/picture alliance via Getty Images)