2021/9/29

【直言】日本には「死」と向き合う政治家が必要だ

NewsPicks 記者
いよいよ、次の日本のリーダーが決まる。
決選投票まで見据え、3週間あまりにわたって神経戦が繰り広げられた自民党総裁選は今日、投開票が行われる。
平成以降の日本では、長期政権の後は必ずと言っていいほど、短命に終わる政権が繰り返されてきた。
例えば、2000年代半ばの小泉純一郎政権の後、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎と短命政権が続いたのは記憶に新しい。
そして約8年間の第二次安倍政権の後を受けた菅首相の在任期間も、約1年で幕を閉じることになる。
果たして、今日の総裁選を経て選ばれる次の首相は、本格的な政権を築くことができるのだろうか。
NewsPicks編集部は現代政治学の第一人者で、これまで数々の首相たちと対話を重ねてきた御厨貴・東京大学名誉教授を直撃。
日本の舵取りを担う次のリーダーに求められる、決定的な「資質」を聞いた。
INDEX
  • このままでは次も「短命」だ
  • 次の総裁が背負うもの
  • 長期政権の「条件」
  • 菅政権の「失敗」
  • 「恐怖政治」はなぜ起きたか
  • 菅義偉という稀有な宰相
  • リーダーに問われる「死生観」

このままでは次も「短命」だ

──いよいよ、総裁選の投票が迫りました。
今回の総裁選の特色はなんと言っても、直後に衆議院選挙、そして来年夏に参議院選挙を控えるという点です。
今度の首相は総裁選で勝って、次の衆議院選挙で勝って、来年の参議院選挙の洗礼を受けなくてはいけない。
この三つを戦い抜かなければいけないというのは、首相として相当の力を費やすことになります。
しかも、はっきりしているのは政権交代が絶対にないということ。今の野党はどう頑張っても政権を取れる状況ではないですから。
そういう条件の下で考えると、次の総裁はとにかく自民党の中での嵐をくぐっていかなければいけません。