2021/9/29

Notionが、全スタートアップに「無料枠」を開放する理由

スタートアップの100%がNotionを使う未来を実現するーー。
メモ、タスク管理、社内wikiにデータベース…。そのシンプルでポップなUIから、新世代のコラボツールとして、日本でも若い世代の支持を集めるNotion。NewsPicksでもエバーノートやエクセルの次を行くツールとして、何度か取り上げてきた。
そのNotionが、次なる一手に踏み込んだ。
日本時間の29日、世界のあらゆるスタートアップを対象に、最低500ドル(約5万5000円)分の使用料を無料開放すると発表したのだ。
Notionは、長らくVCに頼らず、黒字経営を続けてきたが、昨年の資金調達でユニコーン企業となったのを機に、一気にアクセルを踏み込んでおり、今回の「スタートアッププログラム」はその大きな柱となる。
NewsPicksでは、NotionでCOOを務めるアクシェイ・コタリ氏に直撃。この野心的なプログラムの狙いから、長期ビジョン、そして、日本への展開までを聞いた。
INDEX
  • ①スタートアップの「OS」の意味
  • ②スタートアップの3割が活用
  • ③大企業になるまでの長期支援
  • ④「日本対応を進めている」
  • ⑤最強のコミュニティ形成

①スタートアップの「OS」の意味

──今日発表した新たなプログラムは、あらゆるスタートアップにNotionを無料で一定期間開放する野心的な内容です。狙いは何なのでしょうか。
実は、2年前に、世界の約50のスタートアップのインキュベータ(スタートアップの創業を支援する仕組み)と提携し、実験的な試みを始めていました。
インキュベータに所属するスタートアップ企業に、「1000ドル(約11万円分)のNotionを無料で使えますよ」と、声がけしたのです。
この反響はすさまじいものでした。
すでにNotionが提携するインキュベータやアクセラレーターの数は、50社から数百社に増えました。その影響もあって、昨年はNotionを利用するスタートアップの数は1年で4倍まで増加するまでになっています。
それでも、すべてのニーズをすくいきれていません。