2021/9/23

【衝撃】文化人類学で、あなたの価値観は根底から覆る

COTEN代表の深井龍之介さんがホストを務める連続対談「a scope」。
各分野の研究者を招待し、リベラルアーツについて語っていきながら、私たちが生きる「この世界」を捉え直していく。
今回のテーマは「文化人類学」。ゲストには文化人類学者で九州大学准教授の飯嶋秀治さんを迎える。
飯嶋さんの話を聞いていくと、文化人類学のフィールドワークは超ハード。現地の言葉を話すなど、研究対象の文化に徹底的に入り込む。そうして外の視点を獲得することで、これまでに気づかなかったものが見えてくる。
多様な価値観との共生が求められるこれからの時代に、文化人類学的な視点は重要になってくるはずだ。驚くようなエピソードとともに、その一端をご紹介しよう。
本企画はPodcastで「完全版」を無料配信します。深井さんと飯嶋さんの対談を全4回で配信。第1回第2回はこちらからお聞きください。

また、AppleSpotifyをはじめ、外部プラットフォームでも配信いたします。ぜひともフォローください。
INDEX
  • バリ島の市場はぼったくりなのか?
  • ベンチャーに文化人類学が浸透したら
  • リーマン・ショックを文化人類学で読む
  • 2年間、現地の生活にどっぷり浸かる
  • どうやって滞在先を見つけるか
  • 「お金」に対する価値観が変わる

バリ島の市場はぼったくりなのか?

──今回のテーマは文化人類学です。
深井 文化人類学のものの見方は、歴史と同じくらい現代人に必要じゃないかと思っているので、とても楽しみです。
──ではゲストをお迎えしましょう。九州大学准教授の飯嶋秀治さんです。
飯嶋 よろしくお願いします。
深井 十数年前、僕は九州大学で飯嶋先生の授業を受けていたんです。先生の授業がおもしろくて印象に残っていたので、今回お越しいただきました。
──そうなんですか。さっそくですが飯嶋先生、文化人類学とはどういう学問ですか。
飯嶋 文字通り、文化的側面から人類を研究する学問です。ブロニスワフ・マリノフスキーという人類学者によって約100年前に確立された、比較的新しい分野です。
僕たちが海外に行き、現地での体験をおもしろいと感じるとき、それはほとんど「日本人の視点から」おもしろがっています。文化人類学はそれと反対に「現地の視点から」見ることで、自文化との違いを見いだします。