スペイン領カナリア諸島で50年ぶりに火山が噴火 避難呼びかけ
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カナリア諸島、一度行ったことがあります。
インターンの子が「先生、この学会にチャレンジしたいです」と言ってきたのでWEBを確認したところスペインと書いてありました。何度か出したことのある学会で、スペインならいいかと思い、OKをし、無事論文も受かりました。(注:学会の中には毎年世界中を転々とするものがあります。)
さて、受かったので実際に航空券の予約でもしようかと思いたち、旅行会社のWEBで検索をします。あれ、おかしい。2回乗り換えとかでるし、料金がものすごく高い。そこでもう一度学会のWEBをチェックします。「Las Palmas de Gran Canaria, Spain」と書いてあります。「それってどこだ?」と思いながら地図で確認します。首都マドリードからは1,750kmもあります。東京~沖縄間を超えます。もう、モロッコのお隣じゃないですか。軽く大航海時代を思い出します。
普段利用している航空会社にもっと安い航空券がないか電話で問い合わせました。「お任せください。」3時間後、電話で返事がありました。しかし自分で旅行会社のサイトで調べたときの3倍のお値段だったので丁重にお断りし、複数の旅行サイトを回遊することに。どうにか安い航空券を見つけました。
移動だけで24時間くらいかかり、道中も面白いトラブルがいくつかあったのですが字数制限があるので割愛します。
カナリア諸島はリゾート地で雰囲気も景色も食事もよく、楽しみました。二度と来ない土地であろうと勝手に想像しながら、けれども勘違いで学会で来られたことに感謝しました。
確かに、お土産屋さんには火山の溶岩を使ったアクセサリーがあり、「ここは火山が近くにあるのかしら」と思った記憶があります。その時自分用に購入した小石はまだここにあります。近隣の住民の皆さんに被害がありませんように。
というわけで、私のGoogle Mapにはカナリア諸島にいくつか☆がついています。冬でも温暖でヨーロッパからのバケーション客に人気のカナリア諸島。山も多くてサイクリストのトレーニング地としても人気ですが、火山だったんですね。他の観光地と同様コロナで大打撃だったと思いますが、ヨーロッパでワクチンも普及してきたこのタイミングで噴火!我が家でも、秋休みはカナリア諸島に行こうか、なんて話していた矢先に。被害が大きくないとよいですね。
大西洋のカナリア諸島はモロッコの西にあたる場所にある火山島群です。ハワイなどと同じくいわゆるホットスポットで、地球内部からマグマが湧昇してきやすい場所にあり頻繁に噴火が発生しています。ラ・パルマ島は中央部に大きなカルデラを有する火山島で、最近はカルデラの南にのびる山脈(ケンブレビエハ火山)での火山活動が活発です。50年前の噴火は島の南端部にあるテネギアという火口からの噴火でしたが、今回は山脈のほうに数か所の火口が形成されている模様です。すでに先週末から火山性の地震が相次いでおり、噴火が近いとして警戒態勢がとられていました。現時点では大きな被害の報告はありません。
噴火の様子についても、噴煙を高く大量に噴き上げるというよりは、いわゆるマグマを流すタイプの噴火になっているようで、現時点では噴煙が流れて他のカナリア諸島に影響がでるような状況でもありません。ホットスポットなので割と深い場所から上昇してくるマグマであるために、さらさらと流れるような噴火になりやすいという特徴が見事に現れているように見受けられます。
なお、ラ・パルマ島の火山で大規模な山体崩壊が発生すると大西洋全域に津波の恐れがあるという研究があり話題を呼んでいますが、現時点では山体崩壊があったという直接的な証拠があるわけでもなく、また火山活動がそちらに進展しそうだということではありません。山体崩壊など爆発的な噴火は、どちらかといえばプレートの沈み込み帯で発生する、日本やインドネシアの火山で発生することで、ホットスポットのさらさらとしたマグマではあまり発生しにくいと考えられています。現時点ではそのような心配はないと考えて大丈夫かと思います。