タリバン、政権発足式を当面見送り 招待国と「調整つかなかった」
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アメリカのような大国が介入して傀儡政権を作り民主化を促すやり方も結局上手くいかず、かと言ってこのように過激なタリバンが政権を取ったところで平和が訪れるわけでもない。
英ソ米などの進出以前から、アフガニスタンは歴史的に不安定な地域であり、そのせいで平和的な手段によって安定した政権を構築する担い手が存在しないことが難しいところですね。
成功体験が無いので新規に介入する国もなかなか現れないだろうし、国際社会で協力して治安維持に当たるとしてもかなりのコストがかかりそうです。
注目のコメント
9月10日、パキスタンのイスラマバードで、各国インテリジェンス機関の長官たちが会合を持ちました。参加したのは、パキスタン、ロシア、中国、イラン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタンです。
これらの国が、ターリバーン政権を承認しようとしている国々のグループの1つです。これらの国はターリバーン政権を承認することにやぶさかではないのですが、承認するにはそれぞれがターリバーンに対して条件を付けたがっています。その条件をすり合わせて、抜け駆けしないようにすることが会合の目的でした。
各国が付けたい主な条件としては、
・ターリバーン以外の勢力も参加する包括的な政府:
これは、各国が自国の息のかかった勢力を政権に参加させたい、ということでもあります。タジキスタンはパンジシール渓谷のタジク人勢力、イランはシーア派のハザラ人勢力、といったふうに、各国ともアフガニスタンのいずれかの勢力に支援して投資してきたので、ターリバーン政権と連立させて影響力を残したい、という狙いがあります。
また、各国ともアフガニスタンのことで米国やEUと対立を深めたいわけでもないので、多少は欧米に気を使った政権のあり方をターリバーンに求めるでしょう。
上記の国々とは別に、カタールとトルコから成るグループも、ターリバーン政権を承認することにやぶさかではありません。このグループはアフガニスタンでは新参ですが、上記のグループ以上にアフガニスタンに食い込んでいくことを狙っています。しかし、米国やEU諸国の意向を無視してターリバーン政権承認はしない方がよいので、欧米との調整もしなければいけないでしょう。
ターリバーン政権としては、これらの少なくとも2つはあるグループとやりあって、できれば手玉に取って最大限に利益を引き出しながら政権承認を得るのがベストですが、ターリバーンには荷が重いです。
各国の思惑が絡み合っていてインテリジェンス機関が鎬を削っているので、まだ結論は出ないでしょう。欧米諸国が結論を出すのは上記の2グループよりも後になるはずで、日本はさらにその後でしょう。ロシアも中国もまだ様子見。周辺国は難民が来ると困るので本音では早く手を打ちたいが、あの暫定政権を見てしまうと、とても承認する段階ではない。タリバンに国際社会が切れるカードは限られており、その一枚が承認。中ロとてアメリカのような泥沼にはまりたくない。パキスタンもよくそれをわかっている。
対話は必要ですが、タリバンという武装組織が真に更生しなければ国際社会は認めない。しばらくはそれでいいと思います。