2021/9/14

会社がキャリアを決める時代は終わった。カゴメに聞いた「組織の本当の役目」

NewsPicks BrandDesign ChiefEditor / NewsPicksパブリッシング 編集者
 9年前、カゴメの組織の実態を知り、経営陣に直言した。
この会社は、スーパー・オールドファッション・ジャパニーズ・コンサバティブ・トラディショナル・カンパニー(=超・旧式・日本型・保守的な会社)です。
 日本を代表する食品メーカー、カゴメのCHO(最高人事責任者)、有沢正人氏。りそな銀行、HOYA、AIUで組織改革をしてきた人事のプロだ。
慶應義塾大学商学部卒業後、1984年に協和銀行(現りそな銀行)に入行。MBAを取得後、主に人事、経営企画に携わる。2004年にHOYAに入社。人事担当ディレクターとして全世界のグループ人事を統括、全世界共通の職務等級制度や評価制度の導入を行う。2009年にAIU保険に人事担当執行役員として入社。日本独自のジョブグレーディング制度や評価制度を構築する。2012年1月、カゴメ株式会社に特別顧問として入社。カゴメの人事面におけるグローバル化の統括責任者となり、全世界共通の人事制度の構築を行っている。2012年10月執行役員人事部長、2017年10月執行役員CHO就任。2018年4月、常務執行役員CHOに就任。
 ケチャップに野菜ジュースにトマトソース。健康的なプロダクトが広く知られる一方、カゴメの企業文化までくわしく知る人は多くないだろう。
 2012年、有沢氏が入社した時点では、旧来型の人事制度を土台にした年功型の日本企業だった。
 そこから人事評価のシステムを改革。全世界共通の職務等級制度を取り入れ、グローバル企業へと生まれ変わった。
 組織は近年、さらなる変化を遂げている。
「働き方改革はあくまで会社側の論理」(有沢氏)とバッサリ切り捨て、社員の人生の充実を第一とする「生き方改革」を提唱。社員の人生の選択肢を増やす制度を次々に打ち出した。
 この「生き方改革」は、日本の人事部「HRアワード2020」企業人事部門の最優秀賞に輝くなど、先進的な取り組みとして注目を浴びている。
 なぜカゴメは社員の生き方にまで踏み込むのか。
 どんな組織に変わろうとしているのか。
 人事のキーマン有沢正人氏にカゴメの人事改革の変遷を聞くと共に、転職して2年、営業部門の若きホープである齊藤潤氏に、現場視点でのカゴメの内実について話を聞いた。
INDEX
  • いい会社。だが、頭打ちなのは目に見えていた
  • 上が身を切らないと、下は納得しない トップからの改革
  • 会社が個人のキャリアを決める時代は終わった
  • 転職して2年。カゴメの文化は衝撃的だった
  • 求められるのは「新しいカゴメらしさ」を創れる人

いい会社。だが、頭打ちなのは目に見えていた

──有沢さんは入社以来、カゴメの企業文化を人事制度の面から変えてこられました。変革以前はどんな会社だったのでしょうか。
 当時からとてもいい会社でしたよ。消費者の健康に貢献しようとする誠実さに溢れ、そのDNAが脈々と受け継がれている。ブランドロイヤリティの高さにも納得がいきました。
 一方で端的に言えば、危機にはあまり強くなさそうでした。ブランドによったよき時代を長く過ごしてきたせいもあるでしょう。
 特に食品事業は比較的変化が少ない領域で、現状維持になりがちです。
 ただ人口動態の変化を見れば、国内需要がいずれ頭打ちになるのは目に見えている。そうした変化への備えが十分だったかと言えば、そんなことはありません。当時グループ全体に占める海外売上の割合は、1桁台でしたから。
 それを25%に引き上げることを目指した西秀訓社長(当時)は、「人事制度の改革を柱にグローバル化を加速させたい」と私に言ってきました。おもしろいことを言う人だなと思いましたね。
──なぜ西社長は人事制度から変えたいと言ったのでしょうか。
 理由はすぐにわかりました。アメリカの子会社のCEOに挨拶したとき、「へえ、日本に人事部あったんだ」と返ってきました。この一言がすべてを物語っています。
 当時、本社の人事部は海外子会社にまともに認識されていなかった。本社のコントロールがまったく利いていなかったのです。
──国内はどうだったのでしょうか。
 人事制度が形骸化していたのは国内も同じでした。
 あるとき実績が低い社員に高い評価が付けられているのを見つけて、マネジャーに理由を尋ねたことがあります。彼は平然とこう答えました。
「今年僕が低評価を付けたら、彼は来年、再来年と高い評価を獲得しないと規定のペースで昇格できません。でも、次の上司が高い評価を付ける保証なんてどこにもない。僕は部下の人生なんて背負えません」
─よくも悪くも年功序列の企業の内実といった感がありますね。
 極めて恣意性に満ちたジャッジですが、私は現場が悪いとは思わない。こんな制度をいつまでも野放しにしていた組織がよくないのです。私は一連の現場訪問で明らかになった社の実態を資料にまとめ、会長、社長、副社長の3人にこう説明しました。
「今のカゴメは、スーパー・オールドファッション・ジャパニーズ・コンサバティブ・トラディショナル・カンパニー(=超・旧式・日本型・保守的な会社)です」
 想像を超える有様だったのでしょう。彼らは資料をめくり進めると、みるみるうちに顔色が悪くなりました。うなだれる3人に、いくつか処方箋を示しました。
 そこからカゴメの企業文化を変える改革が始まります。

上が身を切らないと、下は納得しない トップからの改革

カゴメは2013年度からの中期経営計画で、「グローバル人事制度の導入」を最重要課題の筆頭に据えた。
すべての従業員が公平な基準で評価され、公正な処遇を受けられることを目指したこの制度には、職務・責任の重さに応じた基準値で処遇を決める「職務等級」の導入や、報酬制度の改定などが盛り込まれた。
制度の適用対象は管理職以上。社長・役員から始まり、2年かけて課長クラスにまで導入するなど、「トップから変わる」方針が強く打ち出された。
──有沢さんはこれまでカゴメを含む4社に在籍され、すべての会社で職務等級制度、いわゆる「ジョブ型」を導入しています。狙いを教えてください。
 端的に言えば、その会社には合っていない年功序列をなくすことです。ジョブ型は職務のグレードに応じて賃金が決まります。
「X」という仕事を、20代のAさんがやろうと50代のBさんがやろうと同じ賃金が支払われる。スキルを持つ人間にチャンスが平等に与えられる。極めてフェアな仕組みです。
 カゴメの2013年の人事制度改革では、このジョブ型に加え、職務グレードごとの評価基準とそれに対応した報酬体系も取り入れました。要は、職務ごとに、どんなパフォーマンスを発揮すれば、どういう評価になり、どれほどの報酬が得られるかを明確にしたわけです。
 ちなみに必ずしも「ジョブ型」が優れているわけでもありません。特に小さい企業規模では従来型のメンバーシップ制度がよい場合もあり、その場合は単純に職務等級制度を入れたりしたら大変なことになると思います。
 ジョブディスクリプションだって、中途採用者の場合は必要だと思いますが、私がいた4社とも中途採用の対象職務以外は作っていません。
 日本ではジョブディスクリプションを作ることに時間がとられ、本業を行うべき時間がなくなってしまいます。特に若い人はいろんな仕事をやってもらって、経験と知識とスキルの幅を広げたほうがいいと思います。その場合は職務等級は逆に邪魔になります。
──とはいえ非常に大規模な方針転換です。反発も大きそうですが、どのような導入プロセスだったのでしょうか。
 私の持論は「外と上が変われば、中も自然に落ちる」です。このときも、まずは海外子会社にジョブ型を導入し、その事実を説得材料に国内改革に着手しました。
 国内で真っ先に変革を求めたのはトップです。上が変わらないと、下は納得しないからです。
 役員報酬の業績連動の割合を高め、会長・社長は固定報酬50%、変動報酬50%とする案を提言、その他の役員も責任の重さに従って固定・変動の割合を大幅に変更しました。そして新たな役員評価・報酬案を作成したら何度もトップの説得を重ね、会長、社長、副社長の3人の承諾を得ました。
 その案を取締役会に付議したときのことです。改正案の説明を始めようとした私を遮るように、西さんがこう宣言しました。
「今から有沢さんがする話は、会長、社長、副社長の三役は完全に納得している。もし有沢さんの案を否決するなら、われわれ3人の代表権を剝奪し、取締役を解任してほしい」
 これを聞いてカゴメは変わるなと思いました。トップ自らが断固たる変革の意志を示したわけですから。
──その後、部長職や課長職にまで対象を広げていくわけですが、給与水準が下がる人もいるなかで、どう説得したのでしょうか。
 人事制度の変更は、旧来のシステムの恩恵を受けていた人ほど不利益変更に感じてしまうものです。
 そこは、なぜ変えるのか、何を変えるのか、「what」と「why」を伝えて納得してもらうしかありません。
「職務等級は、社員のスキルや能力に適した仕事を明確にする仕組みです。給料が下がるとしたら、それはあなたの職務等級の業務が、今のあなたに合ったポジションということです。能力を高め、職務で業績を上げれば、職務のグレードが上がり、給与も高くなります。だから常に上を目指していただきたいのです」
 こういった基本的な仕組みを、一人ひとりの社員に何度も説明しました。また、昇給や昇格するモデルケースも増やしていきました。
 今のカゴメは、全社員の職務等級と各自のミッション、責務、数値化したKPIなどを社内のポータルサイトで公開しており、社員の仕事や評価を確認できます。
 そこを見れば、誰が昇格した、降格したということが一目瞭然です。
 こうした積み重ねにより、フェアな仕組みであることや、説明通りに制度が運用されていることが理解され、組織全体に納得感が広がっていきました。

会社が個人のキャリアを決める時代は終わった

カゴメは近年、労働環境のアップデートをさらに加速させている。働き方改革の一環として、総労働時間を年間1800時間以下に減らす時間管理や、テレワークの推進などを進めてきた。
だが、「働き方改革は生産性を高めるための術であり、企業の論理に過ぎない」と有沢氏は言う。
カゴメがいま提唱するのは、社員の「生き方改革」。社員の自律的なキャリア選択や人生選択をサポートすべく、フレックスタイム制や副業の解禁、地域カード制度の導入など、同社はさまざまな施策を打ち出している。聞こえのよい仕組みばかりだが、その実態はどのようなものなのか──。
──カゴメは近年、「働き方改革」と、社員個人の暮らしの質を高める「暮らし方改革」を合わせた「生き方改革」を提唱しています。具体的にはどのような施策があるのでしょうか。
 一つは「地域カード制度」。配偶者との同居を望む社員や育児中の社員に対し、一定期間、勤務地を固定できたり、希望の勤務地への転勤を認めたりする制度です。こうした選択肢を増やせば、社員は自ら自分に合った働き方を選び取ってくれます。
──社員の働き方の多様化が加速しますね。異なるバックグラウンドや価値観を持つ人材も積極的に募集しています。カゴメはどんな組織になろうとしているのでしょうか。
 一言でいえば、「異能異才」が集まる場にしていきたい。
 前職でアナウンサーをしていて、今はウチでDX(デジタル・トランスフォーメーション)の仕事をしている社員もいます。
 もちろんカゴメのDNAを守り抜いてきたプロパーは今もこれからも極めて大事な存在です。ただ彼ら・彼女らにない価値観は外から積極的に取り入れる。そうやってさまざまな能力を持つ人たちが集まり、相手を尊重しながら積極的に意見をぶつけ合うことが大事なのです。
 そんな健全な衝突からしかイノベーションは生まれません。同質性を維持しても組織が滅びるだけです。
──その異能異才が集まる場において、組織はどんな役割を果たすのでしょうか。
 あえて断言しますが、もう「会社が個人のキャリアを決める時代」は終わったんです。
 これからは個人が自身の責任において自分の人生とキャリアを築いていく時代になる。それをサポートする仕組みや制度を作るのが会社の役割であり責任ではないでしょうか。
 カゴメは社員の自立性をサポートする組織に年々生まれ変わっています。
 社員にはそんな環境をフルに活用して、積極的に「自己表現」をしてもらいたい。今の時代に、旧来の仕事観に縛られることなど意味はありません。
 マネジメントをやりたくない人は、スペシャリストを目指せばいい。そういったポストを用意します。その場合は我々はマーケットバリューで社員を評価します。その人が選んだ道で高いパフォーマンスを発揮していれば、それに見合った市場型の処遇をします。
 副業もどんどんしていただきたいと思います。本業とのシナジーなんて、無理に考える必要はありません。自分の人生設計に必要な仕事があれば、それに全力で向き合えばいいと信じています。
 この会社には、プロパーか中途かなんて気にする人はいません。そんなことより、自分の時間を大切にし、組織の中で積極的に“自己表現”をし、自分のキャリアを伸ばしていくことに注力する。それがこれからのカゴメらしい人だと思います。

転職して2年。カゴメの文化は衝撃的だった

2018年にカゴメに転職し、現在はスーパーマーケットなどを中心に「中食」の提案営業に携わる齊藤潤さん。有沢氏のインタビューでは、公平さ・公正さを重んじる評価制度や、多様な働き方が広がる組織像が語られたが、現場の最前線で働く齊藤さんは、カゴメという組織にどんな実感を得ているのだろうか──。
──入社して驚いたことはありますか。
 たくさんありますが……入社間もない頃に、職場で部署も職種も異なる同僚たちが、次々に挨拶に来てくれたことには驚きました(笑)。
 前職では、近くの席の人が何の仕事をしているか知らないこともざら。仕事で関わらない同僚とは面識を持たないのが普通だったので、カゴメの挨拶文化は衝撃で。
 おそらくプロパーの人たちがチームワークを重視する社風を培ってきたのでしょう。ここまで「ヨコ」のコミュニケーションが盛んなことは、入社前は想像できませんでした。
 ちなみにこの「話しやすさ」は、人事評価でも重要な役割を果たしていると思います。期首に目標を立て、期中に見直し、期末にフィードバック、というスキームはどこの企業にもあると思いますが、その仕組みがまともに機能するかは、上司と部下の関係次第。
 思ったことを話しづらい職場ほど、飲み会などで「点数」を稼いでいる人がいるのでは、と要らぬ想像をしてしまったりするかもしれません。
 その点カゴメは、同僚はもちろん上司の目標も見られます。上司とでも思ったことを言い合えているので、評価にも納得感があります。
──カゴメに入社したきっかけを教えてください。
 前職は食品卸業者で、コンビニエンスストアなどへの営業を担当していました。5年働くなかで、より影響力の高いサービスを扱いたいと考えるようになり、知名度の高いプロダクトをたくさん抱えるカゴメに転職しました。
 現在の主な仕事は、スーパーマーケットをはじめ量販店への総菜営業です。消費者ニーズや競合の動向などを分析しながら、量販店のバイヤーに総菜を提案しています。
 仕事の特性上、競合他社とパートナーを組むことが珍しくありません。
 例えばオムライスを提案する場合、ソースはカゴメ、チキンライスは他の食品メーカー、といったかたちでチームを組んだりします。自社製品と他社製品を組み合わせて、新しい完成図を描ける「自由度の高さ」が、この仕事のおもしろさかもしれません。
──食品営業という職種自体は前職と変わりませんが、カゴメに入ってから働き方は変わりましたか?
 大きく変わりました。
 前職では多くの原料に関わり、産地や工場の現場を訪れるなど貴重な体験をさせてもらいました。一方で365日24時間稼働するコンビニ担当だったこともあり、労働時間も長かった。日々働き詰めで、家族との時間はあまり取れませんでした。
 カゴメでは、いつ働くか、どこで働くか、どれくらい働くか、この三つが選べるようになりました。
 プレゼン前は集中的に働き、終わった翌日は思い切って時短する。今はそんなメリハリをつけた働き方ができています。
 ちなみにプライベートの時間に会社から電話が掛かってくることはほとんどありません。社員の勤務予定をスケジューラーで確認し、就業時間外であれば連絡を控える。そんなルールが徹底されているからです。
──カゴメは社員の「生き方改革」を提唱していますが、カゴメに入ってから人生観や仕事観に変化はありましたか。
 余暇の時間が増えて、自分の関心ともっと深く向き合いたいと思うようになりました。
 具体的に言うと、自身の仕事のモットーである「消費者の健康寿命の延伸」をこれまでと違ったアプローチで実現したくなって、その方法や新しいことを学ぶ時間が増えています。
 最近、社内公募のDXプロジェクトに参加していますが、それも学びの場を持ちたくて始めたこと。また、将来的にアプリの開発をしたくてプログラミング言語「Swift」の独習も始めています。
 前職時代は忙しすぎてチャレンジ精神を持つことを忘れていましたが、今はその気持ちが戻ってきました。カゴメには、新しいスキルを身につけることに貪欲な人も多いし、研修の制度も整っている。そうした環境が後押ししてくれているようにも感じます。

求められるのは「新しいカゴメらしさ」を創れる人

──前職とは組織文化が大きく異なるようですが、馴染むのに苦労したことはありますか。
 情報の透明性が高くて、人間関係にも壁がない。そんなオープンマインドがカゴメの特徴ですが、それゆえ社員には情報共有の積極性が求められます。そこに慣れるのに少し苦労しました。
 例えばカゴメには、業務上の活動や成果を記す「情報カード」という仕組みがあります。社員は月10〜20枚ほど書いて社内のポータルサイトに公開する。
 よい取り組みにはコメントなどのリアクションがつき、その数が多いほど有用な情報と見なされる。そうやって優れたアイデアがシェアされ、現場で生かされるのです。
 入社当時はこの情報カードを書くのに苦労しました。前職時代は「アイデアは一人で考える」が当たり前。自分の活動やアイデアを発信することには慣れていませんでした。
 ただ、慣れないなかでも書いたら書いたで、「読んだよ!」と社内でよく声をかけてもらえるようになりました。
 消費者のニーズが多様化するいま、野菜の栄養をストレートに訴求するだけでは買い手に届きません。従来にはないスタイルで野菜の魅力をアピールしていかなければいけないので、誰もが新しいアイデアを探しているのです。
 カゴメはいま異業種からの採用も積極的に進めていますが、その人たちが期待されているのも、今の組織にはない発想でしょう。
──有沢さんは「異能異才」を求めているとおっしゃっていました。現場の方が求める人物像は?
 私なりの表現で言えば、野性的な人、あるいはサバイバル力のある人です。
 我々のミッションは、「野菜の新たな需要創造」です。誰にも正解のわからない領域ですが、だからこそさまざまなアイデアを試せます。
 カゴメという存在を客観的にとらえ、生き残りの術を多角的に検討し、自ら仮説を立てて検証する。そんな自律的な行動を取れる人が求められていると思います。
──「新しいカゴメらしさ」を見つけられる人が求められている、と。
 カゴメの文化を理解することは必要ですが、カゴメに染まり切らないほうがいい。むしろ多様性に富んだ組織を形成する一人として、自分なりの視点を大切にすべきだと思います。
 有沢が言っている「自己表現」には、そういう意味が含まれていると思います。
 私が入社してから3年弱が経ちましたが、その間、副業が解禁されたり、社内公募で新しい取り組みが始まったり、社員の自己表現を後押しする環境が着々と広がっています。そうした変化はこれからも加速していくでしょう。
 働きやすさはもちろん、組織が変化の只中にあることもカゴメで働く大きな魅力だと感じます。
 組織が生まれ変わる瞬間に立ち会っているという実感。これは何にも代え難い貴重な経験です。カゴメは今まさにそのステージにあり、だからこそ見える特別な景色がある。
 それは自信を持ってお伝えしたいと思います。