2021/9/9

【ひろゆき】子どもに苦労させたくなければ、頑張るのをやめよう

NewsPicks編集部
変化のスピードが増していく一方の現代社会。教科書の内容や解法を暗記するような従来の教育だけでは、もはや対応ができない。
だからこそ、わが子には先の見えない時代でもしっかり生きていける力を身につけてほしい。そう願い、日頃から時間やお金をかけて子どもの教育に心を砕いている人も多いのではないだろうか。
この風潮に対して「親が頑張りすぎるのはよくない」と断言するのは、匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者で「ニコニコ動画」元管理人のひろゆき(西村博之)氏だ。
これまで、生き方戦略や思考法について多くの著書を発表してきた同氏だが、9月15日発売の新刊『僕が親ならこう育てるね』(扶桑社)では、初めて「子育て・教育」をテーマに筆を執った。
ひろゆき氏が考える、“頑張りすぎない”親との子の関わり方とは。前後編のインタビューで探っていく。

親が頑張ると子どもがダメになる

──今回の著書で、ひろゆきさんが「子育て」をテーマに選ばれたのはなぜでしょうか。
ひろゆき 僕が「2ちゃんねる」「ニコニコ動画」の元管理人だったということで、ここ数年、「子どもにインターネットをどう使わせるべき?」「スマホは何歳から持たせるべき?」など、インターネットとの付き合い方を心配する教育機関からの質問が寄せられるようになりました。
それに対しては、「僕が親なら、インターネットを使っても大丈夫な子どもに教育します」と答えるようにしています。
写真:i-Stock/sakkmesterke
たしかに、ネットを介して子どもが出会い系のトラブルに巻き込まれたり、危険な情報にアクセスしたりというリスクは存在します。
でも、今の時代、ネットに触れずに生活していくことは難しい。だから、危険だから遠ざければいいというわけでもない、というのが僕の考えだからです。
ネットとの付き合い方に限らず、親が子どもを守ろうとするあまり、間違った方向に導いてしまっているケースは多いと感じます。
子どもの個性や発達速度や個性はそれぞれなので、子育てや教育法に絶対的な正解はありませんが、「僕なりの正解」をつづってみたのが本書です。
──一人っ子が増えたことで、親の「子どもを守ろう」という思いや教育にかける熱量は増しています。そんななか、ひろゆきさんが「親が頑張りすぎると子どもがダメになる」と考える理由を教えてください。
僕は、親が頑張ること自体を否定しているわけではありません。しかし頑張りすぎた結果、親に不具合が起きることが問題です。
往々にして「これだけ頑張って、お金もかけたのだから、成果があがらないのはおかしい」と怒ってしまったり、疲れて余裕がなくなったりしてしまう。
そうなると、子ども側も「怒られたり、イライラされたくないから頑張らなきゃ」というマインドになります。すると、結果として、つねに人の顔色をうかがって行動し、自分の頭では考えられない子になってしまう可能性があります。
さらに、両親に余裕がなくなって「もうちょっと育児に協力してほしい」「こっちだって仕事が忙しい」などとお互いを責めだしてしまうことで、子どもに影響を与えてしまうことがあるかと思います。
もちろん、夫婦にはそれぞれの正義があってもめるのだと思いますが、それだと「自分の中に自分なりの正義があれば、こうやって相手を責めてもいいんだ」と子どもが学んでしまう可能性もあります。
面と向かっての言い争いでなくても、陰でパートナーの悪口を言っている姿を見れば、自分の正義をふりかざして相手を攻撃するような人間になりかねない。
人は必ず争うものなので、ときには夫婦もぶつかっていいとは思うのですが、和解する方法までしっかり見せるようにしなければいけません。これは、余裕のない状態だとなかなか難しいと思います。

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