2021/8/31

【解説】SBIが「赤字のFOLIO」を買収する本当の理由

スマホで手軽に投資を──。この世界の実現に向けて各社が競争する中、新しい動きが出てきた。
インターネット証券などを手がけるSBIホールディングスが、スマホ証券のスタートアップ企業のFOLIOホールディングスを買収する。SBIは8月31日にも発表する。
FOLIOはかつてSBIからの出資申し出を断り、両社は「犬猿の仲」とまで言われる時期もあった。
その両社がなぜ今、手を組むのか。FOLIO(フォリオ)はSBI傘下でどのような事業を続けるのか。買収の「3つの理由」をグラフとともに読み解いていく。
INDEX
  • 支援必要だったFOLIO
  • SBIが買収する「本当の狙い」
  • SBIとウェルスナビ「蜜月終了」

支援必要だったFOLIO

まずは、売却する側のFOLIOの事情から見ていこう。
FOLIOとは?
【設立】
2015年12月
【CEO】甲斐真一郎
【事業】
 ①資産運用サービス(ロボアドバイザー)
 ②金融機関向けサービス
【株主】
 FOLIOホールディングス(100%)
【加入協会】
 日本証券業協会
 日本投資顧問業協会
(写真:谷口 健)
端的に言うと、FOLIOの台所事情は、火の車だった。