2021/8/22

【豊田真由子】政府には、メッセージが足りない

元厚労省官僚、元衆議院議員
コロナ禍が始まって1年8カ月。
都市部を中心に医療が逼迫し、感染した患者が自宅療養中に亡くなる事例も相次いでいる。
そうした状況を受け、政府は度重なる「緊急事態宣言」を発令するも、繰り返すほど効果は下がっていく一方だ。
コロナ対策の難しさは、立場によって利害が正面から対立することに加え、医療、政治、法律、経済といった幅広い知識が求められる点にある。
そんな中、本記事に登場する豊田真由子氏は、大学で法律について学んだ後、厚生労働省(旧・厚生省)に入省。在職中にハーバード大学大学院で学んだ、いわば公衆衛生のプロだ。
2009年のインフルエンザパンデミックのときは外務省に出向し、WHOと日本政府の連携を担当。その後、衆議院議員に転じ、現在は社会福祉法人で、介護や保育の現場と向き合っている。
官僚、政治家という2つの立場から政治を眺め、公衆衛生を実践したからこそ、見えてくるものは何か。閉塞感のある現状を打破するヒントを聞いた。
豊田真由子(とよた・まゆこ)
1974年、千葉県生まれ。東京大学法学部卒業。厚生労働省(旧・厚生省)に入省後、ハーバード大学大学院に留学し、公衆衛生を学ぶ。厚生労働省老健局課長補佐、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官などを歴任。2012年、総選挙に自由民主党公認で出馬し、当選。現在は、介護と保育を手掛ける社会福祉法人に勤務。