塩野義、東南アジアで治験 コロナワクチン現地供給に貢献へ
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人道支援的な見出しになっていますが、臨床試験実施の報道です。朗報ながら、国際的な医薬品の開発手順としては標準的な方法であり、今思えば、この方法での実施を早期に決定されたらよかったのにと思えます。また、これまでの報道の経緯からみて、同社の新型コロナワクチンは、現在は臨床第1相のステージの途中であり、成功への不確実性は高い状況にあります。
同社は、5月10日の報道向け決算説明会で「新型コロナワクチンについて、大規模な臨床試験(臨床第3相)を行わず条件付きの使用承認を得て(緊急使用)、年内に国内で実用化できる見通しを示していました。しかし、緊急使用とは「代替療法では代えられない」医薬品を、ある程度のリスクを許容しても早期に認める制度です。これを国内で認めた場合、すでに代替が存在する中での意義が問われるばかりでなく、諸外国が追随するとも思えないため、国内ではそれで良くても(良いと思えませんが)、日本ローカルワクチンとしてしか生き残れなくなります。
関連コメント
「塩野義のコロナワクチン、条件付き承認で年内実用化も」(産経新聞 2021年5月10日)
https://newspicks.com/news/5834572?ref=user_1310166
また、8月2日の報道では、「世界各国でつくる『薬事規制当局国際連携組織(ICMRA)』に、接種後にできる免疫物質『中和抗体』の量を、実用化されたワクチンと比べて評価する方法を議論することを依頼する」とありましたが、これが認められることは、極めて難しいと思えました。
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「塩野義のワクチン、年内に最終治験入り 6千万人分供給に前進」(産経新聞 2021年8月2日)
https://newspicks.com/news/6066595?ref=user_1310166
過去(3月16日)にも触れていますが、日本のワクチンに世界での販路を持たせたいのであれば、必要なプロセス(できる国での臨床試験の実施)を行う必要があることは想定できていました。同社でも同様の結論に至ったようです。
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「国産ワクチン年内供給困難に 塩野義、大規模治験難しく」(産経新聞 2021年3月16日)
https://newspicks.com/news/5690804?ref=user_1310166シオノギのワクチンは国内での治験を諦めたようにも読めるね。
感染者数が少ないことが日本で治験のできない理由だとコメントがありますが、既に出回っているワクチンがあるのにそれを使わせないで偽薬を打つ、ということができないためですね。
どうするかというと抗体価でmRNAワクチンと比較する計画でしたが、良い結果が出ませんでした。
なのでワクチンの普及していない国で実験しようという話になったのではと。医薬経済社のヘッドラインでは
・比較対象のためのファイザーやモデルナのワクチンが厚労省から入手できない
・簡略化した試験では厚労省が認可しないという姿勢である(抗体での評価はダメということかな。)
とあった。日本での治験が難しい状況のため、東南アジアで行うようになったともとれる。
ちなみにベトナムは自国で開発中のワクチンがあるようなので、塩野義のワクチンが採用されるかどうかは先行ワクチンの有効性の結果が関わってくるだろう。