TSMCが3nmでのIntel製品製造を2022年第2四半期に開始か?、台湾メディア報道
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Intelは、昨年のファンドリー検討の後に、ゲルシンガー氏がCEOに戻ってきてからIDM2.0を発表し、自社メインを打ち出したが、ここ2か月くらい、下記Pickなど、再度ファンドリーの話が出始めている。
https://newspicks.com/news/5985273
そしてもしTSMC発注となったときのボリューム感が興味深い。iPhoneの台数は年間2.5億台ほど。PCはそれを少し上回り3億台弱。また、大きさが違うので単価もかなり違うだろう。
全部をTSMCに出すわけではないだろうが、下記には違和感がない。そのなかでTSMCがそのキャパを作れるのか、というのがポイントになる。Intelもその規模があるので、設備投資としても世界有数の企業。2022年第2四半期というのは、設備投資キャパ的に結構厳しいのではないかと思わなくもないがどうだろう。
『情報筋によると、IntelはSamsung Electronicsでも最先端プロセスによる製造委託の可能性を探っていたが、TSMCの技術優位性を確認したことから、TSMCへの集中発注へと切り替えたという。その結果、TSMCのこれまでの最大顧客であったAppleを上回る額をIntelが発注することとなり、新たな最大顧客になる可能性がでてきたという。』Intelがどうしても頑張りたいサーバー向けSOCの新製品をTSMCでの生産を決めたということと理解。
TSMCを使う一番のメリットは歩留まり改善が早いこと。自社のラインではどうしても細くなってしまうが、TSMCを使うことで最初から太いラインが期待出来て歩留まり改善も早くなり、AMDやQualcomに対して同じ土俵で対抗出来るし、他自社設計を始めるAWSやMicrosoftへの宣伝にもなる。
外に出す分、中には取り込むことでどうにか減価償却は進めるのがIDM 2.0の基本戦略だと思う。
intelの10nmはTSMCの7nmよりトランジスタ密度は高く出来ているが歩留まり改善がTSMCに対して遅いことを反省して次製品は試してみると大きな判断をしたようだ。
このIDM 2.0のゴールはintel製品はもちろん自社で、他社の製品も生産するというかなり難しいことをやることを目指しているように思える。最先端のプロセスノードを設計するTSMCに慣れているファブレスメーカーにintelを選ばせるのはなかなか難しいと思う。憶測でしかないですが、Intelはデータセンター向けに集中していくんでしょうか?
よりサイクルの短い携帯向けはTSMCに委託しようとしているとすればの話ですが。
ゲルシンガーが時価総額で追い抜かれたNVIDIAへの対抗意識かもしれません。
設計に徹底的に注力し、微細化を追うより、発熱などによるパフォーマンス低下を防いで、パッケージとして最高の性能を引き出す全体設計に全集中という狙いになります。
ハイパースケールデータセンターの投資はまだまだ続きますし、エッジ側の半導体も5Gや自動運転で、クラウドサービスの重要なポイントになりそうだからです。クラウドサービスの価値が、AIとエッジで変化する可能性は大きいと思います。
またIntelが買収したMobileyeのLIDAR用のシリコンフォトニクス半導体をIntelは自社工場で製造すると発表しています。このボリュームはEV以外のドローンや気象観測や携帯端末やスマート眼鏡など多用途に展開できる可能性があり、大きな市場となる可能性もありそうです。
自分を引き立てたIntelのアンドリュー・グローブの「パラノイアだけが生き残る」という企業風土を受け継いだゲルシンガーの静かな闘争心は、最も価値あるところに注力する、かつてDRAMから徹底し、CPUにシフトしたように。
アップル向けは自社生産を断念し、データセンターが望む低消費電力の、発熱に邪魔されない最高のパフォーマンスをゲルシンガーは追求しているように思えました。
もっとも、勝手な想像ですが。
江戸の仇を長崎で討つ、そんなゲルシンガーの肚の底が見えるのはまだ先ですね。