青森・八戸港でパナマ船が座礁 油流出、けが人なし
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日本郵船が運航するチップ船Crimson Polarisの座礁事故についての記事です.
タイトルでパナマ船となってしまうのが,状況の複雑さを物語っていますが,大まかには以下の通りです.
同船の実質船主は,今治の大手船主である洞雲汽船です.同社のパナマ子会社,MI-DAS LINEがこの船を保有する形になっています(パナマ籍にするためにこのような形がとられます).洞雲汽船は船員の配乗などを含む船舶管理業務を美須賀海運に委託しているとのことです。管理会社は美須賀海運で,これを日本郵船が定期用船して(=借りて)運航しています.
事故については日本海事新聞の速報により詳しい情報が載っています.
https://www.jmd.co.jp/article.php?no=269996
分断された船体は陸から4キロメートル沖合にあって,海上保安庁の巡視船などによる現場対応が行われているとのことです.また,乗船していた中国人船員8人,フィリピン人船員13人は海上保安庁のヘリコプターにより救助されたたそうです.なによりです.
スエズの座礁事故の例にもあった通り,法律上は運航会社が賠償責任を負うことはなく,船主の賠償責任も船主責任制限条約に基づいた上限があります.また,通常は船主責任保険(P&I保険)でカバーされます.ですので,運航会社や船主の経営に影響が及ぶ事態にはならないです.一方,日本郵船は社長を本部長とする事故対策本部を立ち上げ,要員を現地に派遣するなどの動きを見せています.社会的責任という観点から関与していくということです.これは気になる。
一刻も早い対策をお願いしたいです。
時化て拡散してしまう前に。