ECB、インフレ対応で必要なら政策引き締めるべき=独連銀総裁
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バイトマンらしいタカ派的な意見です。良し悪しあれ、ドイツ的な金融政策観がECBの政策運営の修正要素となっています。
なし崩し的に世界的に進む財金一体化の流れの中で、EUの場合は、財政統合を回避し続けることが可能になりつつあります。バイトマンの投げかけは、そうした観点から読み解くとまた一つ、違った含意を含んでいると言えそうです。そもそもECBのスタッフ見通しでは2023年まで2%に到達しないことになっているので、主張はごもっともながら、政策運営全体に波及するような話には全くならないと思います。ただ、それはそれとして1.85兆ユーロのQEは大き過ぎるので、ここからさらに膨張することはもはや考えられないでしょう(変異株リスクを脇に置けば)。
フランス、イタリア等を大きく超えるGDP対比の新型コロナウイルス対策を打ちながら政府債務のGDP比が6割にとどまるドイツと、普段の大盤振る舞いが祟ってドイツほどの対策が打てないまま1.5倍を超えるイタリア、1.2倍に近いフランス、スペインといった国々で考え方が異なるのは当然です・・・ というより、財政規律に対する考え方の違いがいざという時の財政支出と政府債務の規模の違いを生んだというべきか。f^^;
中央銀行が金利を抑えて低コストで財政支出が出来るとなると、財政規律が緩んで支出拡大に向けた政治的圧力が強まって効率の悪い投資が増えて中長期的な成長力を奪いかねません。財政が健全で経済の足腰が強くそうした事態を避けたいであろうドイツと、金利を低く抑えて財政支出で足元の景気を支えたい南欧諸国が意見の一致を見るのは容易なことではありません。フランス出身のラガルドECB総裁とドイツ連銀総裁の見解が一致することはこの先も恐らく無さそうに思います。(^_-)-☆