中等症も高度治療必要な患者増加 医療のひっ迫に危機感
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NHKスペシャルのまとめ記事に、日本の医療逼迫の根本的な原因について解説があったため抜粋しておきます。
「新型コロナウイルスが、国内で初めて確認されて500日あまり。病床のひっ迫が繰り返され、入院できないまま命を落とす人が相次いできました。病院・病床ともにOECD加盟国の中で、最も多い“医療大国”日本。
しかし、新型コロナのために確保できている病床は、わずか4%。ひっ迫を繰り返してきました。病床確保に奔走してきた自治体は、この1年、厳しい現実に直面してきました。
戦後、誰もが日常的に利用できる医療体制をめざしてきた日本。病院や病床が増え続けた一方、結果として、医師や看護師などの医療資源は分散。パンデミックに、速やかに対応できる体制ではなかったのです。
一般病床に療養病床なども加えると、数は全国で150万床。病床が多く医師や看護師が分散する日本の医療体制は、「低密度医療」とも呼ばれています。
日本の病床1つあたりの医師数は0.2人と、海外と比べてきわめて低い水準となっています」
ソースはこちらです↓
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pBQ5Oo2r5B/
注目のコメント
表面的な数字だけで評価をしていると、現場で起こっていることを見逃すというメッセージだと思います。
Nasal high flowを使用している患者さんは、形としては人工呼吸器の使用はありませんので、東京都の定義では「重症者」と扱われません。
しかし、Nasal high flowを使用している方は、医学的な重症度としては、人工呼吸器を使用している患者と大きな差はなく、従来の酸素投与だけではすでに命を落としていたであろう患者です。
一般のイメージでは、「中等症」といえば、入院が必要かどうかギリギリの状態ぐらいの意味合いかもしれません。しかし、このような生死をさまよう状況の患者でも「中等症」とされています。
数字では見えてこない深刻さがあるということが、お分かりいただけるかもしれません。お年寄りに比較して、65歳未満の方が悪化する率が低くても、大きな流行になれば、重症者は増えてくるでしょう。
今回の第5波が、『大きな波の最後』にならんことを願っています。
コロナとは関係ないですが、RSウイルス感染症が小児で流行しています。
▷RSウイルス感染症の流行状況
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rs-virus/rs-virus/
このRSウイルス感染症も、ネーザルハイフローを適応することがあります。
成人を中心に診療している方には実感できないかもしれませんが、このような状況で脆弱な小児に、コロナやインフルエンザが重なってくると想像すると…ため息しかでませんね…
もちろん、本当に苦しいのは患者さんです。
医療の提供としては、病床がすべて埋まってしまうとお断りする以外に選択肢はなくなります。中等症でも、重症でも。
言葉の定義の話をしたいわけではなく、目の前にいらっしゃる、一般には重症と思えるような状態でもお断りせざるを得ないことが心苦しいのです。
定義をかえようと、目の前の患者さんが軽症になるわけではありませんから。
繰り返しになってしまいますが、流行が大きくなったときに結局はその波を大きくかぶるのは患者さんです。それを言うなら、いつまでも変わらない都の重症者の定義を全国的に合わせるべきだし、中等症の言い方ももっと細分化すべきではないのでしょうか?
言葉使いで翻弄されるのは、正直もうたくさん。。