2021/7/26

【大野将平】人間の真価は、「負けた時」にこそ問われる

NewsPicks副編集長
勝負の世界に「絶対」はない。それでも、誰もが「絶対に勝つ」と口をそろえる選手がいる。
日本柔道界のエース、男子73キロ級の大野将平だ。
2013年の世界柔道以降、柔道界のトップを走り続け、リオデジャネイロ・オリンピックでも当然のように金メダルを獲得した。
本人も東京大会での2連覇を公言し、その偉業を疑う者はいない。
しかし今や圧倒的な強さを誇る大野も、中学時代は兄の陰に隠れ、苦しい時代を経験してきた。
「兄の金魚の糞だ、大野の弟だと言われ続けて、名前も覚えられずに過ごしてきました。その日々はやっぱり、しんどかったですね」
そこからいかにはい上がり、日本のエースに成長したのか。知られざる過去にスポットを当てながら、大野の柔道観に迫った。

オリンピックより「自分の柔道」

──東京オリンピックが延期になり、この1年をどのように過ごしていたのでしょうか。