米国防長官、東南アジア歴訪へ 23日からフィリピンなど
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各国ともそれぞれ注目点がありますが、私は特に国防長官となるとフィリピンの「訪問軍地位協定(VFA)」の行方に注目しています。
下記の記事にありますように、フィリピンは存続をめぐり6月14日、最終決定を見送り、6ヶ月間保留するとしています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1514J0V10C21A6000000/
フィリピンはアジア大洋州の安全保障上、戦略的な意義が非常に高い国です。1991年までは米軍が駐留していました。基地撤退後、特に2001年の米国同時多発テロ(9.11)が発生し、アルカーイダがフィリピンを「安住の地」として利用していたことや、フィリピンの過激派とのつながりなどからテロ掃討作戦や共同軍事演習なども実施してます。
アキノJr政権は米国と協調的なスタンスを見せていましたが、ドゥテルテ外交は全般的にタカ派外交であり、米国に対してもその例外ではありません。今回の米国防長官の訪問で、VFAについてどのような議論が交わされるのか、注目されます。
米フィリピンの安全保障関係は、日本にとって他人ごとえはなく、重要な論点です。米国のアジア大洋州の安全保障の要中の要は沖縄をはじめとした在日米軍基地ですが、それにプラスして在韓米軍、そしてもともと基地があったフィリピンが重要となります。当然、この3地点がどのようなバランスになるかによって、日本の在日米軍をめぐる安全保障にも影響が及びますし、有事の際の戦略にも影響が及びます。バイデン政権の外交の一つの特徴は、最初は日本、韓国、Quadと集中的に東アジア外交を展開したと思ったら、今度は欧州に集中し、それが終わると東南アジアと、外交日程を固め打ちにして集中的に問題を扱うという傾向がある。これからしばらくは東南アジアに集中するシーズンとなるだろうが、そのあとはまた別のテーマ(たぶん中東かラテンアメリカ)に移っていくのだろう。