2021/7/9

【直撃】アクセンチュアと組む資生堂が目指す、化粧品の未来

NewsPicks ジャーナリスト
資生堂は7月1日付で、アクセンチュアとの合弁会社を設立した。
この新会社を通じ、アクセンチュアが持つデジタルのノウハウを「輸血」し、デジタルマーケティング力を強化。パーソナライゼーションをいっそう加速させる計画だ。
しかも、従来以上に顧客に寄り添うことで、化粧品を売るだけでなく「健康美をサポートする企業」へと脱皮する壮大な構想を掲げる。
資生堂と言えば、シャンプーなど日用品事業を事業譲渡し、世界トップクラスのプレミアム化粧品企業を目指す姿勢を鮮明に打ち出している。
このように会社の姿を大きく変えようとしている同社が、アクセンチュアと合弁会社設立によって成し遂げたいことは何なのだろうか。
そこで、資生堂が過半出資する新会社「資生堂インタラクティブビューティー」のトップに就いた高野篤典氏にインタビューした。
INDEX
  • 化粧品のサブスク
  • 資生堂、3つの「転換」
  • アクセンチュアと組む理由
  • パーソナル対応へ、3つの挑戦

化粧品のサブスク

──化粧品は本来、パーソナライゼーションやサブスクリプション型のビジネスと相性が良いはずです。
高野 実は当社は、サブスクのサービスを一度やったことがありました。
「オプチューン」というサービスで、契約していただいたお客さんには、スマホの専用アプリ機器を使って肌のコンディションなどを測ってもらいます。
その上で、専用の化粧品機器と、その人にマッチしたスキンケア原料が入ったカートリッジをお客さんの自宅に送ります。
──最適な服を届けるために体型を測る専用スーツ「ゾゾスーツ」を顧客に届けるサービスに通じるものがありますね。
(水分量、きめ、皮脂量、毛穴など)日々の肌の状態をスマホアプリで測定します。気候なども加味したうえで、専用の機器が原料を最適なミックスにすることで、その時々に合わせたスキンケアを提供するものです。
原料のカートリッジは、肌の状態の変化に合わせて新たにカスタマイズし、定期的に届けます。