(ブルームバーグ): 週に数日出社する限り、在宅勤務は多くの労働者の生産性を高める可能性がある。在宅勤務を巡る学術研究を分析したイングランド銀行(英中央銀行)のスタッフがブログ投稿でこう指摘した。

それによると、同僚と離れて孤立した状態が長期化すると、労働効率が低下し、対面で築かれた関係性を徐々にむしばむ。一方で比較的複雑で相互依存の少ない仕事には、単独での作業の静けさが恩恵をもたらしたという。

この分析は、政府が新型コロナウイルス対策を緩和する中、企業が在宅勤務をどの程度認めるべきかの議論に一石を投じる。ロンドン商工会議所の調査によれば、ロンドンの企業のほぼ半数では週5日出社体制に戻すことが既に考慮されていない。

英中銀の研究者は「労働者がオフィスではなく自宅で生産性を高めることができる場合、または企業が在宅勤務を利用し自社の生産性を損なうことなくオフィススペースを削減し、その『自由になった』スペースを他者が代わりの生産目的で使用する場合にのみ、在宅勤務は総生産性の向上をもたらす可能性がある」と記した。

研究者によると、ある調査では週1、2回の在宅勤務が理想との結論に落ち着いたものあがった。一方、他の研究はそれほど具体的でなかったものの、長期化は生産性にマイナスだと指摘していたという。

原題:Working From Home in Small Doses Is Found to Boost Productivity(抜粋)

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