2021/7/1

【大転換】JALがLCCを「3つも」持つ理由

平井 啓一朗

NewsPicks エディター

日本航空（JAL）が以前の戦略を一転し、格安航空（LCC）事業に本気だ。

JALは6月30日、LCC戦略を発表し、3つのLCC系エアラインを傘下にしながら、国内外に展開していく方針を明らかにした。

前日の6月29日には、中国を拠点とするLCC「春秋航空日本（スプリングジャパン）」を連結子会社化した。

50%を出資する「ジェットスター・ジャパン」、そして、昨年就航したばかりの「ZIPAIR Tokyo（ジップエア・トーキョー）」を合わせた3社で、LCC事業を加速させようとしている。

JALは、コロナ後を見据えて、どのようなLCC戦略を描いているのか。3分でアップデートする。

INDEX

• 成長戦略としての「LCC」
• 春秋航空で狙う「中国市場」
• LCC3社の「すみ分け」

コメント

注目のコメント

• 谷口 健

  NewsPicks 副編集長

  ・2021年07月01日

  JALがLCCに本気です。「ジェットスター」「春秋」「ZIPエア」という3つのブランドを共栄させながら、それぞれ、国内・中国・北米&東南アジアを目指すということです。「描いた絵」は素晴らしく見えます。
  
  個人的には、ジェットスターで成田→関空で乗ってみた経験がありますが、あまり良くない体験でした。空港まで時間がかかるうえ、成田は端にあるターミナル３。さらに、出発時刻も1時間以上遅れた便でした。
  
  とはいえ、JALが3ブランドを展開すれば、LCC市場全般が日本でもより活発になるかもしれません。
• 清水 勝彦

  慶應ビジネススクール 教授

  ・2021年07月01日

  記事を読む限り「路線（と人）」を買ったという印象で、「３つも」というのは大した問題ではない感じがします。春秋をうまく経営できるようであれば今後さらなるアジア進出にむけてM&Aを加速させることもありではないでしょうか。
• 夏野 剛

  近畿大学 情報学研究所長 特別招聘教授

  ・2021年07月01日

  ナショナルフラッグキャリアが傘下にLCCを複数持つなどと言うナンセンスな政策が日本の航空運賃を高止まりさせている。JALやANAの路線の一部を独立LCCに割り当てなければ価格競争なんて起こらない。コロナ前に両者とも空前の利益を上げていたのは、単に国内路線に競争がなかったから。コロナ禍で両社の事業が大変だということと、コロナ明けに向かっての競争政策は別物にしないと、コロナ明けでまた寡占市場の弊害が噴出する。