[エルサレム 16日 ロイター] - イスラエル軍は16日、パレスチナ自治区ガザから発火物を付けた風船が飛ばされたことを受け、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの武装施設を空爆した。

イスラエルとハマスが先月に停戦合意して以降、イスラエルによる空爆は初めて。

イスラエル軍は声明で「ガザから行われるテロ行為の継続に直面する中、戦闘の再開を含めあらゆるシナリオに備えができている」とした。

イスラエルの消防によると、発火物を付けた風船によってガザとの境界に近い地域では野外20カ所で火災が起きた。

ハマスの報道官はイスラエルの攻撃を確認した上で、パレスチナ人は引き続き「勇気ある抵抗を行い、自らの権利と聖地を守る」と述べた。

エルサレムではこの数時間前、イスラエルの極右グループによる行進が行われた。国旗を掲げた数千人が旧市街のダマスカス門周辺に集った後、ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」に向かって歩き、パレスチナ人の反感を買った。

イスラエルは行進に先立ち、ガザからのロケット弾発射に備えてミサイル防衛システムを強化したが、今のところ発射の兆候は見られない。

15日の行進は当初、イスラエルによる東エルサレム占領を記念する「エルサレムの日」の行事として5月10日に予定されていた。その際の行進は直前にダマスカス門や旧市街のイスラム教徒区域からルートが変更されたが、それでもハマスがエルサレムに向けてロケット弾を発射し、5月の衝突に発展した。