【戦略】「消費の軸が変わった」さて企業はどうする?
- 消費が減るのは「ビジネスチャンス」
- ①「原料費ゼロ」を本気で目指す
- ②「削減」を「価値」に変える
- ③「DIY的価値観」に寄り添う
- ④消費者の行動変容を自ら促す
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この一週間、「シンプルライフ」をフィーチャーしてきました。ビジネスの観点からすると、「選び抜いたモノだけを手元に置く」という価値観が広まることは、「消費の減少」につながると悲観的に捉える人もいるかもしれません。しかし、そこにこそチャンスが眠っていると力強く語るのは、一橋大学ビジネススクールの名和高司先生。ピンチをチャンスに変える4つのポイントを伺いました。
これは「今の段階」では日本企業にとってなかなかタフな挑戦と個人的に捉えています。
一般論としての必要性に対し、現実として越えるべき構造的課題があるためです。
一般論としては本項の通りで、整理すると、消費の軸の変化→企業の対応の必要性、となるのですが、本文にもある通り日本の消費者意識はまだ他国と比較して遅い。
その中でグローバルトレンドだからと闇雲な追随は結果的に企業のコスト高を招き、別の副作用をもたらすリスクが主体者である企業にはあります。
要は、まだ日本の「需要」が相対的に低い状態です。
そこにはややチキンレース的な側面があり、互いを見合っている部分もあるはずです。
各社は一般論としての必要性は理解しつつ、現実的に経営活動として成立させられるかは言うが易しで、消費者がついてこないと企業活動としてサステイナブルになりません。
海外販売比率が高い企業とかはやりやすいかもしれませんが、そうでない企業にとっては簡単ではなく、消費者としての我々の成熟も待たねばなりません。
そのために企業からの啓蒙のための発信も必要、というニワトリタマゴもある、構造的にホント難しい挑戦だと思います。
リサイクルとリユースが「原料費ゼロ」のキーワードとありますが、より現実的に表現するのであれば「追加的資源投入ゼロ」なのではと思います。
例えばアパレルメーカーが自社で廃棄衣料品を回収し、自社工場で全てリサイクルを行い、100%リサイクル材を手にいれられたとしても、そのリサイクル材を作り出すのに多くのコストがかかっていることになるので、「原料費ゼロ」とは言いにくいです。
マテリアルリサイクルは、回収や異物の分別・除去に工数とエネルギーがかかります。ケミカルリサイクルも多くのエネルギーとコストがかかります。
樹脂を代表選手として、リサイクル材はまだまだバージン材(化石資源など新品の素材だけを使って製造したもの)に価格負けしやすいからこそ、素材としての採用が進みにくいのです。再生材の品質が気になるため採用できないという事業者も多く、この部分を解決するためには、さらにリサイクルコストが高くなってしまいます。
とはいえ、資源採掘へのダイベストメント(投資撤退)や需要低下による生産効率の低下等の理由によってバージン材の価格が高騰し、一方でリサイクル産業がより効率化・高度化されれば、リサイクル材がもっと使われやすくなる可能性は否定できません。いずれにせよ、材料を使うメーカーの努力だけでなく、生活者の分別排出やリサイクル産業側の協力も必要となってくる分野です。
また、大量生産・大量消費に反抗する消費者を踏まえ、企業が求められることとして、記載のほかには、サブスクリプション・シェアリング・リース・レンタルのような、サービサイジングへの構造転換。さらには資源が使われるライフスパンを極限まで長くしたり、修理を容易としたりするような製品設計改革などが挙げられると思います。
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