[24日 ロイター] - 米アップルのアプリ配信システム「アップストア」を巡り、反競争的だとして人気ゲーム「フォートナイト」の開発元エピック・ゲームズが訴えた裁判が24日、最終日を迎えた。

連邦裁判所のイボンヌ・ゴンサレス・ロジャーズ判事は、アップルのアップストア事業をどこまで変えるべきかについて、3時間にわたり両社の弁護士に質問を浴びせた。

同判事は先週、アップルがゲーム開発会社から得ている利益は「不釣り合いに見える」と指摘するなど、これまでにアップル側への審問で、同社が独占的な地位を乱用し、アプリ開発者に打撃を与えているというエピックの訴えの一部を受け入れる可能性を示唆している。

一方、24日にはエピックに対し、アップルに競合するアプリストアへのiPhoneの開放を強いることなく、懸念に対処する方法はないのかと質問。大きな変更であり、そうした変更はエピックにとって利益になると指摘した。

また、エピックが提案する変更では同社はアップルに対し何も支払わない可能性が高いとし、裁判を通じて懸念してきた点に言及した。

判事は、エピックの法廷戦術を主導し、全ての裁判に出廷してきたティム・スウィーニー最高経営責任者(CEO)が「収益を生み出すアップルの基本的な方法を攻撃している」とし、「(アップルが)全体的なエコシステムに恩恵をもたらすために利益を活用しているという主張は妥当だ」と述べた。

同時に、アプリ開発者がアップルのアプリ内課金システム回避策のマーケティングにiPhoneユーザーから収集した電子メールアドレスを利用することを禁じるアップルの規則など他の問題についても、判事は時折、疑問を投げ掛けた。

判事は「アップルが消費者に直接反映されない方法でそうした情報を隠しているのは反競争的と思われる」と述べた。

アップルの弁護団はこの日、エピックの要求が認められればアップルはアンドロイドのシステムとの差がなくなり、実質的に消費者の選択肢が減ると主張。「第三者のアプリストアを利用したければ、アンドロイド端末を購入すればいい。裁判で求められている救済措置はアップルに競争的な製品を市場から排除させるものだ」とした。

エピックの弁護士は、競合するアプリストアへのiPhoneの開放や開発者へのアプリ内課金システム利用義務付け禁止という昨年に訴訟を提起して以降主張してきた要求を繰り返した。

判事は4500ページに及ぶ証言を精査しなければならず、裁判の判断が下されるまでには数カ月かかる可能性がある。