[東京 18日 ロイター] - 円LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)を参照した融資契約や債券発行、デリバティブの想定元本が、昨年末時点で2600兆円超に上ることが分かった。金融庁と日銀が国内金融機関274社を対象にした調査で判明した。2021年末の廃止を前に、後継指標への円滑な移行が図れるかが課題となる。関係筋が明らかにした。

残高の内訳は貸出などの運用が33兆円、預金や債券などの調達が12兆円、デリバティブの想定元本が2591兆円だった。

このうち、満期が21年末を越えるものは、運用が27兆円、調達が11兆円、デリバティブの想定元本は2047兆円だった。調査結果は近く公表される。

LIBORは、円や米ドルなど主要な5通貨について公表されているが、米ドルの一部を除き、今年末で廃止される。

廃止時に後継金利が決まっていなければ、借り手はお金があっても支払えなくなる「テクニカル・デフォルト」を引き起こす恐れもあり、金融界ではLIBORからの移行が重要課題のひとつだ。

昨年末時点では残高に目立った減少はみられないものの、後継指標として支持が高かった「東京ターム物リスク・フリー・レート」(TORF)の確定値が4月26日に公表されたこともあり、関係者の間では「移行が本格的に進むのはむしろこれから」との見方が多い。

調査結果では、契約当事者の間で事前に後継金利を決めておく対応がどの程度進捗しているのかも公表する。円LIBORの運用では、残高ベースで18%が対応済みだった。