2021/5/21

「規格外」の大谷翔平はいかにして生まれたのか

スポーツライター
INDEX
  • 「デカイ体」から「デカくて動ける体」に
  • 大谷の体の使い方は役立つか
  • 成長すればスランプにもなる
大谷翔平を語ることが難しくなってきた。世界でも「誰も知らない」ゾーンへと足を踏み入れているからだ。まさに「規格外」。
そのすごさとは一体なんなのか。そして大谷翔平から学べることはあるのかについて、高島誠トレーナーに聞いた。
フェンウェイ・パークのレフトにそびえ立つグリーンモンスターを片手でオーバーフェンスさせたかと思えば、その2日後には9回2死から「爆発した火山」と指揮官が形容した特大逆転本塁打をたたき込む。ついにはホームラン王争いでトップに躍り出た。
「2番・投手」で先発して160km/hの速球と鋭く落ちるフォークで三振の山を築き、試合終盤にはライトへ。二刀流としてメジャーリーグ最高峰のパフォーマンスを見せるばかりか、試合前のウォーミングアップではサッカーボールで軽やかなリフティングを披露してみせる。
「神」「人間じゃない」「最も身体的な才能に恵まれた選手」──。
チームメイトや対戦相手からこの上ない賛辞を次々と寄せられるほど、ロサンゼルス・エンジェルスに加入して4年目の今季、大谷翔平が異次元の活躍を続けている。

「デカイ体」から「デカくて動ける体」に

「体がデカイだけでなく、“その先”を見ていますよね」
かつてオリックス・バファローズやワシントン・ナショナルズでトレーナーを務め、現在は広島県で「Mac’s Trainer Room」を運営しながら山岡泰輔や今季ブレイク中の杉本裕太郎(ともにオリックス)らと個人契約する高島誠氏はそう話した。