老朽化による解体危機…奇抜な建物以上に独特な生活スタイルがやみつきに 昭和の珍建築・中銀カプセルタワーが50年愛された理由
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注目のコメント
中銀カプセルタワービルも、安全面は確保しつつ、どんな使い方があり得るか全国からアイディアを集めれば、ホテルなどの貸スペース以外の現代に合ったビジネスモデルが生まれる可能性生まれ、建て替えてまたハードありきの作り方から脱出できるきっかけになれれば意義深いかと思います。
新陳代謝する建築メタボリズム。変化に柔軟に対応する考え方は予測不能な未来が色濃い今、非常に重要だと思います。ただ、それをハードに頼らずソフトで対応するにはどうすればいいか。ポストモダン・メタボリズム運動の象徴でもある中銀カプセルタワー。先日、モダニズムの象徴としてのベルリンのナショナルギャラリーの改修が記事になっていましたが、ぜひ中銀カプセルタワーも、保存ではなく改修という形で価値を高めるようなリノベーションができると良いのではないでしょうか。
日本は、絵画もそうですが、文化財に対して「保存」により過ぎていて、ソリューションが狭いように思います。余談ですが小説『冷静と情熱の間』ってイタリアの絵画修復家が主人公でしたが、イタリアの修復家は、修復する時に、独自の解釈をもって価値を重ねていくんですよね。自らの存在証明としての署名も入れて。修復や改修も、その時代に生きるクリエイターによる文化的所作であるはずだし、そうあるべき。
石の文化と木の文化の違いとも言われますが、文化の蓄積に対するリスペクトを社会全体に浸透させたいところ。極端にいうと1990年代に取り壊しになった香港の九龍城砦ほどに無秩序だったり危険だったりするわけではないでしょうし、十分に価値を重ねていけるはず。今後の動きに希望をもって。中銀カプセルタワービルに入ったことがあります。
最大の問題点は、共用部分の朽ち方と、水回りの崩壊です。
部屋そのものはリノベできても、共用部分と水回りだけは如何ともし難い。内廊下などは場所によるとかなり悲惨でしたし、確かもうシャワーは使えなくなったはずです。
部屋をユニットに見立てた本建築ですが、葡萄の房に例えれば、実はなんとかなっても茎が酷くなってしまったわけです。メタボリック建築は実の交換を前提としていましたが、肝心の茎がダメになってしまった。
集合住宅の場合、それがどんなものでも、やはり共用部分と水回りが大切なのだと感じました。