ハーバード大のプログラミング講座を日本語化 無料で学べる「CS50.jp」公開
コメント
注目のコメント
CS50をクリエイティブコモンズのライセンスに基づいて、翻訳コントリビュートさせていただきました。
edXには世界中の大学から質の高い授業が集まっているものの大半が英語ベースで、英語による大学レベルの授業を理解できる方しかメリットを享受できません。
大学の授業が無償公開される流れ(MOOC)は、コロナ禍の以前から始まっていますが、日本では遅れており東大/京大/大阪大学などの事例にとどまり、まだまだポピュラーではありません。
コロナ禍など大学キャンパスの環境が不安定な中で、経済的事情や家庭環境に関わらず、多くの「学びたい意欲のある学生」が、良質な教材に母国語でアクセスできるようにしたいという想いで、CS50が定めるクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY-NC-SA 4.0)に準拠する形で日本語版の翻訳作業を進めました。
非営利に限定されるものの、個人でご利用いただいたり、学校教育機関での活用事例が出てくると嬉しいです。
※なお、この教材を翻訳するに至った背景として「コロナ禍の学生にプログラミング教育を無償提供する」というプロジェクトを行っており、クラウドファンディングを実施中です。もし宜しければご協力ください。
https://camp-fire.jp/projects/view/398723私が学生のころはWEBでの無料コンテンツといえば「猫でもわかる」シリーズを思い出します。いまでも現役で管理・運用されているサイトです。
プログラミングをある程度学んだら、それで何か自分の困りごと解決のためか、自分の興味心に従って具体的にプログラムを作ってみることをおすすめします。「なんでもできるように」と思って全部学ぶとわからないことが多すぎるし、いつまで経っても学ばなくてはいけないことが出てきます。やりたいことドリブンでどうやったらできるのだろうか、と調べていくことで深められることもあると思います。
自分の場合は、設計した半導体チップに対していろんな電圧や波形で信号を入力し、オシロの波形の画像とCSVを毎回ファイル名を変えて保存するという作業を1万通りやらないといけない事態に陥って、「人力でやったら絶対間違える自信しかない」という危機感のもと、プログラムで全部自動化したことが本格的にプログラミングと向き合うきっかけでした。
猫でもわかるプログラミング
http://www.kumei.ne.jp/c_lang/私が研究をしていたMITの脳科学のピカワー学習記憶研究所は、AI研究の世界的メッカであるMITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)の真向かいにあり、よく人工知能のセミナーに出たり、コンピュータサイエンスの授業にもぐったりしていました。
ボストンという街はハーバードとMITを抱える「学園都市」で、その二つの大学は電車でたった2駅の距離にあり、学生や研究員はどちらの大学のセミナーや授業を好きに受ける事ができます。私の専門は脳科学ですが、脳科学とコンピュータ科学は相性がとても良いので、気分転換がてらたまにコンピュータ科学の講義に混じるわけです。
コンピュータサイエンスど素人だった私にとって衝撃だったのは、授業の多くは「プログラムの書き方」のコツなどを事細かに教えるのではなく、どういう考え方でプログラムを書けばよいかという「概念」をシェアする事に重きが置かれていたことでした。この日本語化されたプログラミング講座も、効率的な「概念」を学ぶと言う意味で、コンピュータ科学に関係ない人も、ある程度楽しめるのではないかなと思います。
コロナ禍で仕事も大学もリモート化が進む中、ハーバードもMITも多くのセミナーや講義をフリーで公開しています。この記事のように、日本語という分かりやすい形に変換した上で、高校生からシニアまで多くの人々が、世界のアカデミアを感じるチャンスに恵まれたのは、昨今の一つのメリットなのかもしれません。