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直近の脱炭素の動きを受け,物流企業がトラック輸送から鉄道へのシフトを進めているとのことです.一方でこの記事でも見逃されていますが,トラックからのモーダルシフトは鉄道だけでなく,海運へのシフトも含まれています.この点を指摘させていただきたいと思います.
内航海運の業界団体である,内航総連のページには1トンのものを1km運ぶのに営業用貨物車3390ジュール,鉄道200ジュール,内航海運532ジュールということが示されています.記事で挙げられているような貨客混載は輸送効率が下がるため,鉄道と海運の差はさらに下がるでしょう.なので,もう少し海運へのモーダルシフトも注目されていいのになあ,と思っています.
(http://www.naiko-kaiun.or.jp/about/about04.php)
また,モーダルシフトはこれまでもずーっと唱え続けられてきました.海運へのモーダルシフトは1981年の運輸政策審議会答申から提唱されています.そんな中でこれだけの機運になってきているということは,環境問題だけではなく,物流業界での労働需給の変化と相まって,ということなのだと考えられます.物流分野の脱炭素は、利用する事業者の脱炭素に向けた目標達成にかかわります。脱炭素への対応が早い物流パートナーを優先採択する動きも出てくるでしょう。
ここでは佐川急便、ヤマト運輸、福山通運、西濃運輸などの大手物流会社に焦点が当てられていますが、大手小売業者の自社トラックのモーダルシフトやEV化、小売業者や製造業者同士の鉄道コンテナ共同配送も進んでいます。
通信販売業者による宅配ボックスの推奨も、物流会社への負荷だけでなく、CO2排出量を減らすことを企図して行われています。海運の輸送効率を指摘している方々のご意見、大変勉強になります。
地政学では、世界の覇権を手に入れるためには海洋へのアクセスが非常に重要とされますが、トラックと海運の輸送効率の差を見て納得がいきました。
石油がエネルギーの覇権を担っているのも、やはり採掘効率ゆえだと思います。
経済の原理が支配するこの世界では、わずかな効率の差が積み重なって競争の勝敗がわかれ、勝者総取りとなるケースが非常に多いように思います。
そして、これまでの経済原理に、環境負荷という新しい軸が付け加わり、パラダイムがシフトしていることを意識しながら戦略を決めていくことが必要なのだと思いました。