2021/4/26

【解説】なぜ永守は「日本電産CEO」を譲ったのか?

NewsPicks編集部 記者
創業から48年。ついに永守重信会長が、初めてCEOの座を譲る決心をした。
モーター大手の日本電産は、4月22日の通期決算会見の場で、関潤社長を最高経営責任者(CEO)に昇格させる人事を発表した。6月開催予定の株主総会後に開く取締役会で決定する。
日産自動車出身の関氏が社長に就任したのは、2020年4月。わずか1年で、創業以来経営を担ってきた永守会長からCEOの座を引き継ぐこととなる。
同じく日産出身で前社長の吉本浩之氏は、永守会長の期待に応えられずに2年足らずで社長交代となってしまった。
だからこそ、今回の関氏へのCEO禅譲は、社内外で驚きをもって受け止められている。
今度こそ、後継者に権限移譲できるのか。NewsPicksが解説する。
INDEX
  • 「CEO交代」の意味
  • 後継者探し、苦難の歴史
  • 関社長ってどんな人?

「CEO交代」の意味

私は創業者であり、筆頭株主であり、代表取締役会長、取締役会議長を引き続きやっていく。
「なにも変わらない」と言ったらおかしな話ですけれども、そんなに驚いてもらうようなことではない。
決算会見の冒頭、CEO交代について永守会長はこう説明した。経営の第一線から退くと解釈されれば株価に響くと懸念してか、永守会長のコミットは変わらない旨を強調した形だ。
では、実態が変わらないのであれば、なぜCEOを交代するのか。