[フランクフルト 19日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は19日、ユーロ圏の大手行が、自行の内部モデルを使って潜在的な損失額を算定したことで、リスクアセット(RWA)が2750億ユーロ(12%)過少に報告されていたとの見方を示した。

融資先が破綻した場合の損失などを過小評価する事例があったとしている。

これにより、2018ー2021年の大手行の自己資本比率は平均で70ベーシスポイント(bp)押し下げられるという。

2008年の金融危機以降、世界の規制当局は銀行が財務上のリスクと必要な資本額を算定する際に利用する内部モデルの検証を進めている。

ECBのアンドレア・エンリア監督委員長は「各行は、欠陥を是正し、基準を完全に満たすため、対応を進めている」との声明を発表。

一部の分野では「一段の改善」が必要だとし、一例として、各行が想定するデフォルトの確率が長期平均に合致し、十分に保守的な水準になるよう対策を進める必要があるとの認識を示した。

また、借り手を格付けする方法についても「修正や適応」が必要だと指摘した。

ECBが今回発表した「内部モデルのターゲット審査(TRIM)」はユーロ圏の大手65行が対象。うちドイツの銀行が14行と最も多かった。