2021/5/22

【鳥貴族 社長】こだわるべきコスト、こだわるべきでないコスト

株式会社鳥貴族 代表取締役
新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けているのが、飲食業界。中でも、酒類を提供する居酒屋のダメージは大きい。

業界に新風を吹き込み、1985年の1号店スタートから今や600店以上にまで店舗を拡大してきた鳥貴族も例外ではない。しかし、創業者の大倉忠司社長は、「ピンチをチャンスに変えてきたのが、鳥貴族の35年の歩みだった。このピンチをチャンスに変える」と意気込む。

顧客や従業員からの高いロイヤリティでも知られる鳥貴族。その強さは、どこにあるのか。(全7回)
大倉忠司(おおくら・ただし)/鳥貴族ホールディングス 社長
1960年、大阪府生まれ。調理師学校卒業後、大手ホテル、焼鳥店勤務を経て、1985年に独立し、鳥貴族1号店を出店。1986年、イターナルサービスを設立してチェーン展開を開始。低価格メニューを武器に急成長。2005年に東京進出。2009年、社名を鳥貴族に改める。2021年4月現在、全国で623店舗を展開。アイドルグループ「関ジャニ∞」メンバーの大倉忠義さんの父としても有名。
INDEX
  • 本当に炭火焼だけがおいしいのか
  • ガスや電気もおいしく焼ける
  • 名刺は自作、本社は自宅の一室
  • ローカルで鍛えたから繁華街で成功
  • 視界を遮る丸太をわざと立てる
  • 神頼みはしない

本当に炭火焼だけがおいしいのか

1号店のスタートでは苦戦しましたが、「250円(当時)均一」でじわじわとお客さまが増えていき、鳥貴族は軌道に乗っていきました。
ここから店舗を拡大させていくにあたり、意識していたのが、コストに対する意識です。
効率化できるところは徹底的に効率化する。思い込みに左右されない。これが、鳥貴族流のやり方です。その一つに、「炭火焼」というこだわりを捨てたことがあります。