配車大手グラブ、過去最大のSPAC上場へ 評価額約400億ドル
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下記の今回の上場に伴うInvestor Presentationから。
スライド18~21が今後の見込み、2020~2023でGMV・収益はCAGR約+40%での成長見込み。昨年がコロナ影響もあったのと、このペースを維持できるかは不透明だが、他社に比べてビジネスが既に回っている状況なのは大きい。
興味深いのがスライド17で、ユーザーとなった年から、年数がたつごとにどれだけ利用金額が増えているか。こういうデータが出せるのがビジネスが既に回っている強みだし、予想の確度は高くなる。
そしてスライド26がセグメント単位の詳細。全セグメント伸びるが、注目をしたいのはFinancial Serviceについての内部消去の比率が減っていく点。先に配車・デリバリーで広がり、その決済として使う形で広がっていて現在も過半を占めている状態。でも今後は金融サービス単独での成長も狙っているということ。一方、2020年実績としてDeliveryとMobilityのGMVは8.7Bn USDで、Financial Serviceの内部消去は5.1Bn USD。一方2023年見込みは22.6Bn USDに対してFinancial Serviceの内部消去は7.7Bn USD。DeliveryとMobilityで増える分に対しての内部消去の増加が少ない(それ以上に外部単独売上が増えるのは分からなくもないが)のはなぜだろう?Grabをより使う中で、DeliveryとMobilityで金融サービスを使うのはもちろん、それ以外でも単独サービスとして決済が使われるというのが描いている未来なら、こういう数字にはならないと思う。
https://assets.grab.com/wp-content/uploads/media/ir/investor-presentation.pdf
注目のコメント
素直におめでとうと言いたい。ソフトバンクによる初期の投資から見てきたものの、目を見張る成長は時代を捉えた。配車というよりは従来のタクシーの進化版。地域柄サービスの確立に苦労するものの、シンガポールとジャカルタを中心に競合を駆逐し、デリバリーから決済まで次の収益の柱を作り上げることに余念が無い。
一つ一つのサービス展開では収益化が難しいので、スーパーアプリの台頭に向いている市場群を中心に存在感を発揮しているし、国々の人口と経済からくる根本的な成長幅は比較にならないほど伸びしろがある。20年後くらいには世界有数の企業になるのだろう。創業者のアンソニータンとは大学院の授業が同じだったのですがめちゃいいやつです。元々マレーシアでの日産系の自動車関連会社の財閥出身で、東日本大震災の際には寄付をしてくれました。あれから10年、SPACは売り上げもない会社が使うところも出てきて怪しげさがありますが、ここはスピードを優先しているという形でうまくいってほしいものです。シンガポールではデジタル銀行の免許も取りましたし、米中が争う中、アジアのスーパーアプリを目指そうとしています。日本だと三菱UFJが出資しているので日本進出のパートナーになるのでしょう
当事者からの発表で確定報。
自らをライドシェアではなくスーパーアプリと名乗る。
政府系ファンドテマセクら向け大型私募増資も伴うとの事にてしっかりした印象。シンガポールで配車もフードも普段使いしてますがこの会社の命運はウォレット含む消費者金融サービスの成否、そして主戦場は市場規模的にシンガポールではなくインドネシアでしょう。が競合ひしめく険しい戦い。