(ブルームバーグ): スマートホーム分野で後れを取る米アップルだが、開発の初期段階にある多用途の新しいデバイスで巻き返しを図ろうとしている。

同社は「アップルTV」をスマートスピーカー「ホームポッド」と組み合わせた製品に取り組んでいる。接続したテレビや他のスマートホーム機能を介したビデオ会議で使われるカメラも内蔵される。内部案件だとして事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。

動画視聴やゲームといったアップルTVの標準的な機能も備え、音声アシスタント機能「Siri」を用いたスマートスピーカーとしても使えるという。発売となれば、アップルではこれまでで最も野心的なスマートホーム用ハードウエアとなる。

関係者によると、アップルはタッチスクリーン付きの最上位スピーカーの投入も検討している。この分野で先行するグーグルとアマゾン・ドット・コムに対抗する。「iPad(アイパッド)」とホームポッドを組み合わせ、ビデオチャット用のカメラも内蔵される。アマゾンの「エコーショー」最新モデルのように室内のユーザーを把握する可動式のロボットアームを備えたアイパッドとスピーカーの接続を探っているという。

 

この2つの製品開発はまだ初期段階であり、アップルがいずれの製品投入も見送るか、主要機能を変更する可能性はある。同社が新たなコンセプトに取り組み、最終的な製品発売に至らないことはたびたびある。アップルの広報担当者はコメントを控えた。 

同社は昨年、高性能で価格を抑えた「ホームポッドミニ」を発売。今年3月には初代ホームポッドの製造打ち切りを発表した。アップルTVは3年余りアップデートされていない。

原題:Apple Working on Combined TV Box, Speaker to Revive Home Efforts(抜粋)

©2021 Bloomberg L.P.