【実践】いい文章のヒントは「百貨店」から学べ
- 「紙芝居」で構成力を鍛える
- なぜ百貨店が参考になるのか?
- 「最強の読者」を降臨させよ
- 共感しづらい人も尊敬すべき点はある
- 弓を引く時間が長ければ、遠くまで届く
- 改めて、文章本をつくった理由
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「書く」=「つくる」を極めてきたライターの古賀史健さんのインタビュー後編です。
前編では、「書く」とは一体なんなのか、取材とはどのようなものなのか、について伺いました。
後編の今回は、執筆・推敲とは、なぜこの本をつくったのか、についてお聞きしました。
古賀さんが2012年に書かれた『20歳の自分に受けさせたい文章講義』をバイブルにして、まったく書いたことなどなかった状態から「書く」を仕事にできるようになった私は、『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』を手にとるまで、あの本を超える一冊なんて生まれ得るんだろうか?とすら思っていました。(そのくらいの名著です)
ですが、本書は前作以上だったのはもちろんのこと、数々の名著を多数生みだしてきた古賀さんをしても、制作に3年もの月日がかかった理由がわかる一冊であり、そのリアルな思いを伺えたインタビューでした。
古賀さんが書いた『ゼロ』を読んで、専業主婦生活に区切りをつけて働きだすことを決意し、古賀さんが書いた『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を読んで、書くことを仕事にできるようになり、古賀さんが書いたNewsPicksでの糸井重里さんへのインタビュー記事「イノベーターズ・ライフ」を読んで、いつか私もあそこでああいう仕事してみたいなぁと思い、NewsPicksにご縁をいただいた私にとっては、今回その媒体で、この一冊で、古賀さんにお話を伺えて感無量でした。
古賀さんはなぜベストセラーを生み続けられるのか。その理由がこのインタビュー・この一冊に詰まっています。
プロフェッショナルとはなんなのか。古賀さんのその姿勢は、「書く」仕事かどうかに関わらず、すべての人に通ずる普遍的なものでした。いま知れてよかった。ぜひ、みなさんにもお読みいただけたら嬉しいです。
白く輝く、ズッシリとした厚みの本。
これから読みます。
「現実から隔絶された、圧倒的な異世界が、百貨店の1階にはある」
百貨店の一階は「異世界」の始まり。
地下鉄から直結で、地下一階が「異世界」の入口となることもありますね。
ひとつの世界観の入口となるフロアの作り方は、本に限らず参考になります。
「世界観」はよく使われる割に、そのつくり方が知られていない言葉のひとつです。
「嫌われる勇気」の著者である古賀史健氏の文章術。
「桃太郎を10枚の紙芝居にまとめる」「百貨店の1階からあがっていく体験をつくる」ーコンサル時代に報告会に向けてやっていたことに似ているな、そう感じました。
コンサル時代、インタビューを通じて得たものを仮説に落とし込み、次回報告会に向けての前半戦で、まずその報告書の構成を作っていました。
構成とは具体的には「各スライドのメッセージ」と「その並び」です。中身はまだ書かれていないことだらけです。
その後に仮説検証を進め、中身を埋めていく。検証の結果、仮説が違えばメッセージを書き換えたもので置き換えていく。
そして最後まで繰り返し全部を俯瞰して、スライドを並び替え、つなぎ目なども整えていく。
まさに「桃太郎の紙芝居」です。
一方で、コンサルの場合は必ず相手は決まっていて、その資料を読むことが前提になっている点では、少し違います。だから「百貨店の1階=化粧品コーナー」が必ずしも必要ではないのです。
ここで説明されている文章術は、読者に離脱させずに最後まで読みきらせることも目的になっています。ただ、コンサルの資料は、課題感があって高い金を払って買っているので、相手は必ず読みます。
だから百貨店もオーダーメイド、特注で作ります。相手が化粧の不要な人なら、百貨店の1階のような華美なものは取り払うでしょうし、腹を空かせているならレストランフロアを1階に持ってくるでしょう。
ただ、ハッとさせ、ひとつひとつ細かに見せていき、最後にゆっくり咀嚼してもらうーーそんな「全体を通じた体験」という概念的な部分では、やはり似ているようにも感じます。
書き方というのはとても人柄が出るので面白いものです。
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