[ロンドン 18日 ロイター] - 英中央銀行(イングランド銀行)は18日、政策金利を予想通り0.10%に据え置き、資産買い入れ枠も据え置いた。国内経済には新型コロナウィルスによる落ち込みから回復の兆しがあるが先行きは不透明と強調、早期に金融引き締めに動くとの憶測を否定した。

中銀は「前回の金融政策委員会以降、当面の経済活動に関するニュースは前向きなものだったが、中期的な見通しをどの程度変えたかはそれほど明確ではない」と指摘。「見通しに対するリスクバランスは、委員によって程度が異なる」とした。

コロナ対応の規制は、中銀が先月考えていたよりも「やや早めに」解除される可能性があるとの見方を示した。

資産買い入れ8950億ポンド(国債8750億・社債200億ポンド)に据え置き。国債買い入れも週あたり44憶ポンドにするとしたが、今後は柔軟に対応しつつ、買い入れペースを鈍化させる可能性も示した。

景気回復の見通しを巡っては、中銀内で温度差が鮮明になっている。英中銀のチーフエコノミストを務めるハルデーン理事は、経済を「圧縮されたばね」に例え、急激な景気回復が目前に迫っていると強調するが、一方で他の当局者らは欧州連合(EU)との新たな貿易関係など根強い不安要因を口にする。ベイリー総裁は今週、見通しが明るくなる一方、「大いに警戒している」と語った。

フェデレーテッド・ハーミーズのシニアエコノミスト、シルビア・ダランジェロ氏は「他の主要中銀と同様、英中銀も慎重な姿勢を崩していない」と指摘した。

JPモルガンのエコノミストは、中銀がおそらく5月に経済見通しを上方修正し、「少なくとも次の行動が利上げであることをほのめかす」と予想。モルガン・スタンレーのアナリストは、「タカ派へのシフト」が示されなかったことから、中銀は必要に応じて債券の買い入れペースを拡大する用意があると分析した。