GE、航空機リース部門をエアキャップへ売却へ-300億ドル規模
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少し前から報じられていた(①)が、昨日はInvestor Updateの日で、そのタイミングでの正式発表(②)。従前報道では「統合」、発表は売却、そして300億ドル規模というのは報道とインライン。
とはいえ中身は240億ドルの現金、統合会社の46%保有、また完了時に10億ドル追加で短期債(note)もしくは現金。併せてGECASの売却に伴う減損として30億ドルを計上。そして売却で得た資金については負債の削減に使う。ロックアップがあり、9か月後から一部分、15か月後には全部を売却可能。
46%の保有が50億ドル相当で、またAerCapは240億ドルの負債性資金を本ディールのために調達する。減損もそんなに出ず、現金でディールをほぼ固められていて株式部分はアップサイドと考えられるし、2016-2018のコロナ前の時期のセグメント利益は10-20億ドルくらいと考えると結構良いディールなのではないかと思う(ざっくりベースで、細かく数値見たりしたわけでは全くないが…)。
良いディールだと思われるゆえに、300億ドルという報道が出たときに株価は13.5ドル→14.3ドルくらいまで月曜に上がっていたのだが、発表・出尽くしで昨日の終値は13.25ドルと行って来い…
①https://newspicks.com/news/5669387
②https://www.ge.com/news/press-releases/ge-announces-combination-of-gecas-and-aercap先日もコメントしましたが、そもそもGEによる事業の整理という背景が大きく、一時は世界最大であった航空機リース市場における規模も、現在はAerCapにトップを譲っているような状態でしたので、コロナによる業界再編とは少しニュアンスが異なるように感じています。ただ、航空機リース市場においてはAerCapが他の追随を許さない存在になったことは確かです。航空会社は基本的には自社で航空機の資産を持つのが普通ですが、コロナにより補助金や借入金の返済を今後求められた時に、一時的なファイナンスの手段として航空機をいったんリース会社に売却するという手段をとることが考えられます。リース市場の拡大に対応できる体制を作り上げたという意味でAerCapの存在感が今後非常に大きくなりそうです。
コロナで儲からなくなった事業を競合に押し付け、
しかし株式は半数近く保有する。
上手いですねぇ。
これなら、その事業が今後復活すれば利益が得られ、
このまま沈んでいっても損失を小さくできる。
GEはまだ風力発電やガスタービン事業があります。
そちらに注力することでより一層発展しようという意思が感じられます。