[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が18日公表した1月理事会の議事要旨で、政策当局者らはユーロ上昇に改めて懸念を示す一方、このところの国債利回り上昇については楽観視していたことが分かった。

ECBは先月21日の定例理事会で、新型コロナウイルスの新たな感染拡大が域内経済へのリスクになるとして大規模な量的緩和の維持を決定した。また、経済の下支えに向け低金利の継続を再確認した。

ユーロは1月理事会までの数週間に大きく変動していなかったが、理事会メンバーらはユーロ高が輸入品の価格下落と輸出競争力の低下を招く恐れがあることから、為替レートへの懸念を表明。

議事要旨では、「ユーロ圏の金融情勢、ひいてはインフレ見通しに悪影響を及ぼす可能性がある為替レートの動向について、懸念の声が上がった」ほか、「十分な金融刺激策が引き続き不可欠」とされた。

理事会は良好な資金調達条件の維持を再確認したが、このところの国債利回り上昇には懸念していない様子で、インフレ調整後の利回りは歴史的な低水準にとどまっていると主張。

「全ての名目利回りの上昇が資金調達条件の不当な引き締めと解釈されるべきではなく、それに対応する政策反応につながるべきでもないという見解を維持した」とし、金融政策の観点からは実質金利の推移が重要だと指摘した。