2021/4/28

【米良はるか】支援が少ない分野にお金を流す仕組みをつくる

Newspicks+d 編集デスク (Editor/journalist)
お金を必要としている人が声を上げ、その思いに共感した人が寄付というかたちでアクションを起こすクラウドファンディング。

この業界を牽引するのが「READYFOR(レディフォー)」だ。2011年、22歳で起業した米良はるか氏は、資本主義ではお金が流れにくいところへ迅速に流す仕組みをつくり、社会を変えようとしている。

目指すのは、国に代わるほどの金融機関という。米良氏が描く理想の社会とは。(全7回)
INDEX
  • お金の流れ方を変えたい
  • 乳がん研究費用に3000万円集める
  • 専門的な話をきちんと伝える
米良はるか(めら・はるか)/READYFOR CEO
1987年生まれ。2010年慶応義塾大学経済学部卒業、12年同大学院メディアデザイン研究科修了。大学院時代にスタンフォード大学に留学。帰国後11年にオーマ株式会社にて日本初のクラウドファンディングサービス「Readyfor」を立ち上げる。14年「READYFOR(レディーフォー)」として株式会社化、代表取締役CEOに就任。11年世界経済フォーラムグローバルシェイパーズに選出され、日本人史上最年少でダボス会議に参加。

お金の流れ方を変えたい

READYFORで力を入れているものの1つが、研究・医療の分野のサポートです。
政府が国立大学に出す交付金は年々下がる傾向にあります。さらにアンメット・メディカル・ニーズと呼ばれる希少性が高い医療の領域は、マーケットがないと見られて支援も少なくなるケースがあります。
すぐに明らかなリターンが見えず、長期でイノベーションのリスクが高いと言われるところにはお金が流れにくいのです。すると、研究開発も前に進まなくなってしまう。
(写真:shironosov/iStock)
その不利益は大きい。研究がうまくいけば将来的に症状が良くなる患者さんたちが、見過ごされてしまうかもしれません。
このお金の流れ方を、自分たちの持っているテクノロジーでどう変えていけるのかとずっと考えています。