2021/3/23

【南 壮一郎】ビズリーチ創業者がゼロリセットを繰り返す理由

Visional / BizReach Founder & CEO
2009年にビズリーチを創業し、即戦力人材の転職市場を可視化した南壮一郎氏。創業10年の節目で社長の座を譲り、同社を含む4社を統括するホールディングカンパニー、ビジョナルの社長に就任して1年が過ぎた。

起業する前には楽天イーグルスの球団設立に参画し、さらに遡ればモルガン・スタンレーからキャリアをスタートさせている。華やかな成功の連続のように映る道のりの原点は、「強烈なマイノリティ体験」だったという。

南氏の「仕事の哲学」に迫った。(全7回)
南 壮一郎(みなみ・そういちろう)/ビズリーチ 創業者、ビジョナル 社長
1976年生まれ。1999年、米・タフツ大学数量経済学部・国際関係学部の両学部を卒業後、モルガン・スタンレーに入社し、投資銀行部でM&Aアドバイザリー業務に従事。2004年、楽天イーグルスの創業メンバーとなり、チーム運営やスタジアム事業の立ち上げを行う。その後、ビズリーチを創業し、2009年、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」を開設。「HRテック」の領域で日本の採用市場を可視化し、新しい働き方を創造。2020年、ホールディングカンパニーのビジョナルを新設し、社長に就任した。著書に『絶対ブレない「軸」のつくり方』『ともに戦える「仲間」のつくり方』がある。
INDEX
  • 社長退任、ビジョナル始動
  • “グレート・リセット”を楽しむ
  • 強烈なマイノリティ体験
  • 環境が変われば新OSを入れ直す
  • 自分は周りと違っていい
  • タフツ大学で2倍学ぶ

社長退任、ビジョナル始動

2019年末、「創業10周年の節目にビズリーチの社長を退任する」と発表したとき、周囲からは少なからず驚きの反応がありました。
僕にとっては時間をかけて準備を進めていた計画通りの実行であり、その4年前にはカンパニー制に移行して、経営の権限を若いマネジメントチームに少しずつ渡していました。
そして、2020年2月、産業のDXを推進するさまざまな事業を創出し、事業領域を広げていく目的でグループ経営へとシフト。僕はホールディングスの社長に就きました。
グループ名をVisional(ビジョナル) として、長年親しんできた「ビズリーチ」のブランドをあえて使わなかった決定に対しても、「せっかく認知度を高めてきたのになぜ」「もったいない」と想定通りの声が聞こえてきました。
Visionalのロゴ
しかしながら、僕はこれで本当に良かったと、1年経った今、心から感じています。
この前後の思いについては後でゆっくりお話しするとして、これから僕のこれまでの歩み、そしてその歩みの中でつかんできた僕なりの仕事の哲学を確認していきたいと思います。

“グレート・リセット”を楽しむ