2021/2/21

【安永雄彦】ビジネス界から50歳で僧侶になった理由

ライター&編集者
東京・築地にある浄土真宗本願寺派の寺院・築地本願寺。近年、時代の変化とともに“寺離れ”が進み、参拝者が年々減少する中、大胆な寺院改革を進めている。参拝者は2015年からの5年で、2倍の250万人に増えた。その仕掛け人が、代表役員・宗務長を務める安永雄彦氏だ。

安永氏は銀行勤務を経て、コンサルティング会社を経営、通信教育で仏教を学び、50歳で得度して僧侶になったという異色のキャリアの持ち主。2015年7月、企業でいえば社長にあたる宗務長に民間企業出身者として初めて抜擢された。長年経験を積んだ僧侶が就くのが通例の中、まさに異例の登用だ。

なぜ僧侶の道を選び、伝統的で保守的な組織の改革を進めることになったのか。安永氏のキャリアと哲学を追う。(全7回)

なぜ僧侶の道を志したのか

私はエグゼクティブ・サーチに携わる傍ら、浄土真宗本願寺派の僧侶の資格を取得しました。
かなりの変わり種なので、なぜこの道を志したのかとよく聞かれます。
40歳代後半、人生の折り返し地点に立ったとき、これまでの落とし前をつけなければいけないと考えたのです。