ミャンマーの日系企業に影響拡大、工場休止-ANA来週まで運休
コメント
注目のコメント
現地に住んでいる体感としてのヤンゴンの街の様子ですが、全くもって「平静」です。危機管理として工場は休止したものの、差し迫った危険を感じてのことではないと推測します。
参考までに、2日(今朝)のヤンゴンの様子です。
・ネットは昨日と比べて改善
・主要通信キャリアも使えるように
・自社の業務は在宅勤務(通常通り)
・ヤンゴンの街は昨日と変わらず静か
・バスや人は普通に行き交っている
・商店も普段通りにオープンしている印象
・KFCもロッテリアも営業中
元々軍が国防省・内務省(警察)・国境警備と、戦力を保持する省庁全てのトップを合法的に指名する権限を持っていますので、NLDや民主化勢力が軍政に対抗する力は全く持っておらず、この2勢力間での武力衝突や内乱は起こりようがありません。
心配することは、クーデタに反発する民主化グループのデモが行われ、流血を伴うような鎮圧が行われることです。時間はかかっても何とか平和的なプロセスを経て、民主制へと復帰する道を探ってほしいと願っています。確かに重大なニュースなのですが、冷静になりたいと思っています。少なくとも現地の一般的な場所での通信制限は行われていないようで、少なくとも日本人や外国人に対する一般的なSNSの遮断も行われていません。アカウント制限も確認されていません。クーデターは商都ヤンゴンから400km離れているほぼ政治機能しかない首都ネピドーで起こりました。
現地の信頼できる方とコンタクトしましたが、戒厳令は出ているものの、市民生活に混乱を招くほどにはなく、武力衝突などは、現時点では起きていません。もちろんその恐れは警戒されての戒厳令です。
ほとんどの日本の現地企業は、金融等を除き、経済特区内に建設された工業団地に立地しており、首都で何らかの騒乱が起こったとしても、その影響はあまり受けませんが、危機管理としては必要な対応であるとの認識でよいのではないかと思います。
軍部のクーデターと聞けば「内戦か?」と思われるかもしれませんが、隣国タイでも、2014年王国国軍成立を宣言したクーデターがあったばかりであり、この時も警戒はされましたが、市民生活はほぼ平常でした(戒厳令は出ました)。この時の国際社会の反応は、米国は国防総省名で「民主主義の原則を尊重しクーデターを起こさないよう要請した」、日本も「遺憾の意を表明」していますが、それ以上の制裁を行った事実は確認できません。
スー・チー氏の注目度や、ミャンマー民主化の経緯から注目が集まっていますが、軍部政党も野党第一党であり、これまで民主化によりミャンマー自身が得てきた経済発展の切符をみすみす放棄したくないと考えていると推測します。
ミャンマーは軍部も民主政権も、どちらも中国との結びつきは決して弱くありません。米国の考え方が日本政府に波及し、それが現地企業の命運を左右するでしょう。