日本宇宙ベンチャーを俯瞰して〜差はどこでつくのか?
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あまり宣伝していませんでしたが、実は半年前から宇宙ファンドのアドバイザーとして、日本の宇宙ベンチャーの技術評価を行う副業をしています。
2020年は6社をヒアリング。僕が評価に用いる3項目のうち、明確に会社間の差が出た項目が1つだけありました。それについて思うところを書きました。
すべての投資候補案件において、守秘義務契約(NDA)の下で提供していただいた技術資料を読み込んだ上で、1〜2時間の技術者に対するヒアリングをビデオ会議にて行いました。もちろん数時間でその会社の持つ技術のすべてを把握できるわけではありませんが、一般に出ているよりもはるかに多くの技術的詳細を知り、それを複数の会社の間で比較することができる立場にありました。そのことを踏まえた考えです。
僕の意見が、日本の宇宙ベンチャーの発展の一助となることを願います。JPL小野さんの良記事。
宇宙xシステム工学というのは日本の研究機関ではなかなか習得するのが難しい領域で、それを熟知している人材が少ない領域と聞きます。自分が委員をしている日本航空宇宙学会でも、宇宙ビジネス人材で不足しているタイプとして、みな口を開けばこのシステムエンジニアリング人材やそれに直結するプロジェクトマネジャー人材の話題になっています。
スタートアップは若さや大胆さ、革新性が売りですが、他方で俯瞰して堅い仕事をすることも不可欠なわけで、特に宇宙ベンチャーはそのバランスが異業種分野よりも高度に求められますね。日本の宇宙ベンチャーを俯瞰して見れる立場だからこその良記事です。
記事にあるSE/PMは、JAXA統合時に多くの失敗を経験した結果、最重要項目として徹底的にJAXA組織に取り込まれました。今でもJAXAプロジェクト職員は、現場で発生する数々の問題を舵取りしながらSE/PMをみっちり叩き込まれます。小野さんのおっしゃる通り、JAXA職員は適任だと思います。
ただ人材層という観点では、1プロジェクトあたり10名程度&新規プロジェクトは年1つ程度、なので経験者がめっちゃめちゃおる!というわけではないです。そういった限られた宇宙人材のマッチングのためのプラットフォームS-Expert(https://s-expert.jp)がはじまったり、だんだん宇宙ベンチャーの環境が整いつつある状況です。
もっと人材の流動性を高め、日本の宇宙ベンチャーのレベルを高めたいなぁ。