(ブルームバーグ): 中国当局は同国フィンテック企業アント・グループに対し、同社が保有する一部金融事業者の株式を強制的に売却させる案を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにしたもので、金融セクターに対するアントの影響力を抑える狙いだという。

この関係者によれば、銀行関連事業などにおいてアントが保有する少数株主持ち分の一部を強制処分させることなどが検討されている。監督当局が進める金融持ち株会社規制の一環だと、関係者が情報の非公開を理由に匿名で語った。アントの広報担当者は31日、コメントを控えた。

中国人民銀行(中央銀行)はアントに対し、事業改革計画を策定し、可能な限り早急にその予定表を示すよう要求。アントはこうした状況を受け、資産運用や消費者向け融資、保険、決済サービスなどを傘下に置く持ち株会社の設立を計画中だと、事情に詳しい関係者が明らかにしている。

持ち株会社になれば、アントの事業は資本面でより厳しい制限を課される公算が大きい。規制がさらに強化された場合は、広範囲にわたる同社の投資の一部について売却を要求される可能性がある。

関係者によると、アントに対する計画はまだ初期段階で変更もあり得る。ロイター通信はこれより先、アントにテクノロジーや金融新興企業に対する投資の一部を手放すよう中国当局が促していると報じていた。

原題:China Is Said to Weigh Requiring Ant to Sell Finance Investments(抜粋)

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