2020/12/31

【星野佳路】最後の「コロナの山」を一緒に耐え抜こう

NewsPicks副編集長
本当のリーダーは、危機にこそ活躍する。
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大によってあらゆる業界が変革を余儀なくされた。とりわけ旅行や外食業は人の移動の減少で、壊滅的な打撃を受けた。
そして、多くの社員が不安を抱く中、真の実力が問われたのが、各社の経営者たちだった。星野リゾートの星野佳路代表は、この1年をこう振り返る。
「野球の試合で例えるなら、9回裏ツーアウト満塁でバッターボックスに立ってるような感覚です。負けるかもしれないとか、不安だなんて言ってる場合じゃない。すごくいい場面が設定されているわけで、打つか打たないかが問われている。今、まさに真の経営力が試されているんだという興奮はありました」
コロナ禍の今、企業のリーダーたちにはどんな振る舞いが求められているのか。そして、第3波をどう乗り越えていくべきか。
星野代表のインタビューで2020年を振り返り、2021年を迎える準備をしよう。

危機における「トップの役割」

──2020年、旅行業界は大変な1年でした。その中で星野さんは、代表としてどう対応してきたのでしょうか。
危機フェーズにおいて経営者がやるべきことは、会社における優先順位を変えて、それを社員に正確に伝えることです。
今この状況において、何を優先し、犠牲にするのか。捨てるものの基準を明確にしてあげないと、社員が右往左往してしまいます。