2020/12/29

【株価高騰】僕らは、「脱炭素」にマストなベンチャーだ

NewsPicks NY支局長
2021年はエネルギーの年になる。
1月に米国では気候変動対策を重視するバイデン政権が誕生し、日本からも2050年にカーボンニュートラルを目指すグリーン成長戦略が発表されるなど、今、世界は「脱炭素」へギアを一気に上げ始めた。
そんなグリーンの波を捉えるかのように、絶好のタイミングに上場した企業がある。
ENECHANGE(エネチェンジ)。このエネルギーテック企業は、12月23日上場から、いきなり公開価格の4倍の値を付けた。
2015年に創業したエネチェンジは、英国ケンブリッジ大学の研究ラボを母体としながら、日本の電力自由化の進展に合わせ、電力比較のサービスから、スマートメーターの解析まで、テクノロジーを駆使した新サービスを展開してきたスタートアップだ。
そして、脱炭素の追い風を受ける中で、今回エネチェンジは事実上の「直接上場(ダイレクトリスティング)」という思い切った資本政策にも踏み込んでいる。
株価高騰は、エネチェンジの「異例のIPO」という賭けへの勝利ともとれる。
NewsPicksではエネチェンジを率いる城口洋平CEOにインタビューを敢行し、世界中で加速する脱炭素の動きから、日本のエネルギー変革への野望、今回の"直接上場"の裏側までをじっくり聞いた。
3つのポイント
①2050年の「脱炭素」に向けて、必須の「4D」とは
②エネチェンジは、大手企業の打倒ではなく、中からDXしていく
③今回の事実上の「ダイレクトリスティング(直接上場)」にした理由

2050年脱炭素のキーピース

──世界のエネルギー業界が一気に動くタイミングでの上場となりました。
おっしゃるとおり、この2020年の12月というタイミングは、エネルギーベンチャーにとっては絶好のタイミングです。
バイデン政権の誕生もそうですし、日本も菅政権の下で、一気に2050年脱炭素化を推し進めるとの宣言が公表され、欧州も含め、世界で脱炭素が完全にトレンド化した非常にいいタイミングとなりました。
脱炭素に向けては、究極的には、以下の4つのことを進めないと、2050年のカーボンニュートラルは絶対に実現しません。もっといえば、今から10年後の2030年ごろまでにここの道筋が見えないと、2050年には間に合わない。
それがエネルギーの「4D」です。